* * *

「おいし~!!」

奈久留は雪夜が森にある植物などで作った夕飯を食べ、笑顔になった。

そんな奈久留を見て、雪夜もつられて笑顔になる。

奈久雪とファルコは余程お腹が空いていたのか、野獣のように料理に飛びついていた。

「あ、……あのね、雪夜に聞きたいことがあるの」

「ん?」

突然、奈久留の食事を運ぶ手が止まった。

パチパチと手作りの焚火が静かに音をたてる。

焚火の明かりが、二人の顔を照らしていた。

「おじいちゃん、雪夜のこと『護衛』って言ってたでしょ? あれはどういう意味なの?」

「ああ。俺は五年前まで奈久留のボディーガードとしてあの城で働いていたんだ。その時から奈久留のおじいさんにはお世話になっていた」

すでに食事を終えたファルコは、体を丸くして寝ていた。

「そっか……」

少しの間、沈黙が流れた。

その沈黙を破ったのは、奈久留だった。

「雪夜……。この世界の知っていること、全て話して欲しいの。私はこの世界のこと、何もわかっていない……」

雪夜は「あぁ」と小さく頷いて話し出した。