「キュッ!」
「あ、ファルコ。大丈夫?」
遅れてファルコも雪夜の頭上へ落ちてきた。
雪夜は奈久留を下ろし、二人は辺りを見渡した。
辺り一帯は木が沢山植え付けられており、足元も雑草が生えている。
どうやら、森の中に瞬間移動してきたみたいだ。
奈久留達がいた内国のアフェミアの街にある植物とは全く違う。
見たことのない植物ばかりだ。
(一体ここは……どこ?)
雪夜は溜め息をつき、力無く言った。
「今日は野宿に決定みたいだな」
「そうみたいだね」
「キュゥ」
全員一致のようだ。
「もうすぐ日が沈む。とりあえず、急いで食料調達するか」
初めての野宿に期待と不安を抱きながらも、奈久留は先を進む雪夜を追いかけて森の奥へと入っていった。