歩はあたしの肩を掴んだ。 その顔は何かひらめいみたいだ。 「じゃあ俺の地元行こ! 車で来たから大丈夫だから。」 「地元どこ?」 「葛西だよ! 車取りに行こ。」 歩が歩きだした。 あたしはなるべく歩と距離をとって歩に着いていく。 その時すれ違った。 楓と。 楓はお客さんと歩いていた。 あたしの時みたいに手とか繋いでなかったけど、楽しそうに笑っていた。 よく見たらお客さんはあのキャバ嬢だ。 あたしは思わず足を止めてしまった。 見たくなかったよ。