「貞永…本当に行っちゃうんだね…」
「姉ちゃん…」
どこか悲しそうに、猛が呟く。
きっと、猛はあたしの秘密の気持ちに気付いているはず。
あんなに貞永についての相談をしたんだもん。
勘の鋭い猛はあたしに口出しをする事はないけど、きっと心配しているんだろうな。
「猛…」
「…ん?」
「アンタは気にしているだろうから、先に言っておくよ。あたしは、貞永に気持ちを伝えるつもりはないから」
そうキッパリと宣言し終えた所で、空港内にアナウンスが響き渡った。
「まもなく、十三時十分発・ロサンゼルス行きの飛行機の搭乗を開始致します。ご搭乗のお客様は、五番ゲートにお集まり下さい。繰り返します―――」
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