会場内は多くのマスコミの姿で埋め尽くされていた。
貞永の要望により、会見は質問アリの三十分間で行われる。
ハードスケジュールをこなす貞永にとって、三十分が自分の限界を感じる時間なのだろう。
この会見が終わると、またドラマ撮影に戻らなくてはいけない。
貞永の事が心配になりながらも、あたしは緊迫した会見現場を端から見守る事にした。
「この度は、たくさんの方々に集まって頂きありがとうございます。私、貞永光輝はハリウッドに挑戦する事になりました」
貞永の一言で、会見がスタートする。
たくさん焚かれるフラッシュに、貞永は眩しそうな顔ひとつしない。
「若干二十二歳でハリウッドに挑戦する事を、ご自身はどう思っていらっしゃいますか?」
「とても光栄だと思います。こんな未熟な俳優をキャスティングして下さった製作会社の方々には、とても感謝を致しております」
次々と飛び交う質問に、丁寧に答えていく貞永。
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