そして、無言で作業を進めていく。
インターネットに接続した所で、冬馬の寂しそうな声が聞こえた。
「あゆ…辛いかもしれないけど、無理しないでよ?」
「冬馬…大丈夫だって!」
きっと、冬馬達は落ち込んでいるであろうあたしを、励ましに来てくれたんだ。
その事だけでも、あたしは充分に嬉しいよ。
「ありがとうね二人とも!さ、仕事に戻った方がいいんじゃない?」
「そう…だね!蘭、そろそろ戻ろっか」
「ええ…」
何だか腑に落ちないような表情を浮かべる佐田さんを連れて、冬馬は控え室を出て行こうとする。
…その行動を、急に佐田さんが阻止した。
「中森さん…」
「佐田…さん…?」
佐田さんから嫌われているあたしにとって、彼女から名前を呼ばれた事は数える程しかない。
そんな事実があるからこそ、あたしは名前を呼ばれた事に驚きを隠せなかった。
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