「どうしたの?」
「いや、貞永くんハリウッドに行くんだなって思って」
忙しいあたしを気遣うかのように、冬馬は優しい口調で話す。
冬馬の一言でまた涙腺が崩壊しそうになったけど、あたしは全力でそれを阻止した。
「そうなのよ。その対応も色々あって、本当に忙しくて困っちゃうんだから!」
「あゆ…」
冬馬が言いたい事は分かってる。
だけど、それを口にさせたら終わりなんだっていう気持ちが、あたしの心の中にはあった。
「貞永はずっとハリウッドでの挑戦を夢見ていたの」
「うん…」
「その夢を掴むチャンスが来たの。応援してあげるに決まっているじゃない!」
ニコッと微笑んだあたしを、冬馬はもちろん佐田さんまで辛そうな表情で見ていた。
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