…ハリウッド、?
思わず聞き間違えなんじゃないか、と耳を叩いてみる。
それでも…神風さんのしっかりとした声は、あたしの耳に残っていた。
「ハリウッドの方から、オファーを頂いたんだよ」
「…オファーですか?」
貞永が聞き返すと、神風さんも力強く頷く。
「ああ。アメリカでも貞永の噂が広まっているらしい。“日本に演技の天才がいる”とな」
演技の天才。
貞永にピッタリな表現。
貞永は、海を越えてまで有名な存在となっていたんだ。
「どうだ貞永。この話、受けてみないか?」
「…受けます!チャンスがあるならば、是非!」
神風さんの問い掛けに、すぐさま答える貞永を見て、
…少しだけ、寂しいと思った。
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