そして、震える指を抑えるように、ゆっくりと通話ボタンを押した。
ケータイを耳に当てると、そこにはいつもと変わらぬ様子の小西さんの声が響く。
「お忙しい所すいませんね。今大丈夫でした?」
「あ、はい。大丈夫です」
そう告げると、落ち着いて小西さんの返事を待つ。
いつも通りほんわかした雰囲気を醸し出しているであろう小西さんは、少し間を空けて、あたしに尋ねてきた。
「…今日、貞永の仕事が終わるのはいつですか?」
「今日ですか?ドラマの撮影が順調にいっても、深夜になりそうなんですが…」
「分かりました。深夜になってもいいので、仕事が終わり次第貞永を連れてハッピードリームの芸能部へと来てください」
「芸能部…?」
普段聞きなれない言葉に、あたしは正直戸惑った。
あたしと貞永を芸能部に呼び出す魂胆が分からないから。
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