「誰だよ」 貞永に急かされるように尋ねられて、あたしは口を開く。 「…小西さん」 「小西さんって…あゆの上司の?」 「うん…」 なんだろう…。 小西さんからの呼び出しは、数え切れない程にある。 今回だって、きっといつものようにくだらない話をしながら近況報告をする為の電話に過ぎない。 それなのに、あたしの胸は痛い程に鼓動を繰り返して。 何かが起こる、そんな直感が働いた。 「貞永、外出てくるね」 「おう」 何も疑問に思っていない貞永を置いて、あたしは一人廊下へと飛び出す。 .