注目を浴びながらのデビューとなる猛。
演技派俳優として一目置かれている存在の貞永。
もしもあたしがこの二人と関係があるとマスコミに知れ渡ったら、それこそ何かスキャンダルがあった時に、あたしの元にマスコミが殺到し兼ねなくなる。
猛はそんな事を考えていたのだ。
…相変わらず、頭が冴えているあたしの弟だ。
「猛、本当に大丈夫かなあ?」
「そんなに猛の名前ばっかり呼んでよ…。あゆって絶対ブラコンだろ」
「そうよ、ブラコンよ!」
「…そんなあっさり肯定されるとは思ってなかったわ」
貞永の声を聞きながら、その日あたしは可愛い弟の心配しかしていなかった。
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