「じゃ、帰るね」
「お邪魔しました」
「またいらっしゃいね!」
お母さんの声を聞きながら、あたし達は実家を後にした。
こうやって家族ゆっくり過ごせるのは最後かもしれない。
猛は高校を卒業したら、一人暮らしを始めるらしい。
うちの実家は都内だけど郊外。
メジャーデビューも決まったし、いつまでも実家暮らしをしていたら仕事に支障が出るんじゃないかという猛の考えで、一人暮らしが決まった。
あたしの家で暮らせばいいんじゃない?とも思ったけど、猛はその考えを一瞬にして消し去った。
どうやら、貞永のマネージャーであるあたしと血縁関係にあるという事を、世間に隠したいという気持ちが大きかったらしい。
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