「よし!そろそろリビングに戻らないと、みんな心配しちゃうよね!」
あたしはひとりそう叫ぶと、グッと背伸びをしてみせる。
元気になった様子のあたしを見て、貞永はいつものようにフッと笑って見せた。
「早く戻って、猛に芸能界講座しないとな」
「…貞永、猛をエロ狼にしないでよ…?」
「それは保障できねぇ。男はそういう生き物なんだよ」
「ちょ…!バカ言わないで!」
「バカ言ってない。真実を述べてるだけだ」
そんなくだらない会話をしながら戻ったリビングでは、やっぱり両親はテレビの前で大騒ぎしていて、猛はその様子を呆れながら傍観していた。
…そんな光景が、今はとてつもなく愛しく感じる。
「姉ちゃん、気分良くなった?」
「うん。心配掛けてごめんね?」
手を合わせながら猛に手を合わせるあたし。
あたしの様子を見た猛も、少しだけ微笑んだように感じた。
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