言葉の続きが、言えなかった。
言いたい事はたくさんあるのに、単語が出てこない。
苦しくなって枕に顔を埋めたあたしは、ふいに聞こえてきた貞永の言葉に耳を傾ける。
「俺は、隼人の選択は間違っていなかったと思う」
「…なん…で…?」
「もしこの事件をなかった事にしようとしても、それは自分を応援してくれているファンの人達を裏切る行為になる」
…ファンの人を、裏切る、?
「俺も隼人も、応援してくれている人達を裏切るくらいなら、堂々と謝罪してマスコミから叩かれた方がよっぽどマシだという考えだからな」
「貞永…」
「だから、今回の件は自分を責めるな。確かにあゆは罪を被らせているという意識が大きいかもしれねぇ。だけど、ここまで事を大きくさせたのは隼人自身だ。アイツが決心した事なんだから、あゆが気にする必要はねぇよ」
いつの間にかあたしの顔に近付いてきた貞永は、無言であたしの頭をポンポンと軽く叩く。
その振動が心地よくて、あたしは貞永の体温を最大限に感じていた。
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