「入るぞ」
「へ…?」
聞こえるはずのない、声。
その声に反応して、あたしはゆっくりとドアに視線を持って行く。
「…やっぱりな。お前、また一人で溜め込んでんだろ」
「貞永…」
クシャっと自分の髪の毛を掴んだ貞永は、いつものクールな表情を浮かべながら、あたしがうつ伏せになっているベットの端に座った。
「…どうしてここに?」
「どうしてって…あゆがおかしかったからに決まってんだろ」
フッと息を零した貞永は、「猛だってあゆの両親だって、お前の事心配してたんだぞ?」と付け加える。
貞永の言葉を聞いて、あたしの胸はまたチクン…と痛みを感じた。
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