秘密の★オトナのお勉強①




「姉ちゃん、顔が死んでるんだけど」



「うるさい、あたしだって気分が悪い時くらいあるんだけど」




猛が恐る恐る顔を覗いてきて、あたしはそれを拒否する。


こんな幸せな日に沈んでちゃダメだって事くらい分かってる。


折角の楽しい雰囲気を台無しにしているっていう自覚もある。


だけど…今の気持ちでは、楽しめるモノも楽しめない。




「ちょっと二階に上がってくるね」




あたしは作り笑いを浮かべて貞永と猛に宣言すると、そっと騒がしいリビングを出て行った。



階段を上って、懐かしい部屋へと急ぐ。


まだ実家暮らしをしていた頃のあたしの部屋は、そのまま残されてある。

家具も、その配置も、何もかもが変わっていない。



お母さんがいつでも帰ってこれるようにと、綺麗に掃除してくれていたその部屋は、あたしの感情を爆発させるのには充分だった。




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