伊藤さんに命を狙われたあの日、隼人はあたしの願いをまったく受け入れてくれなかった。
あたしと貞永が居なくなった楽屋で、隼人は苦しみながらも答えを出したんだろう。
…どうやったら罪を償えるか。
きっと、その事ばかり考えていた。
ああ見えて責任感が強い隼人だからこそ、苦しんで、もがいて。
時間を掛けて出した答えは…
―――隼人が今回の不祥事をマスコミに発表して、公の場で日本国民全員に対して謝罪するというものだった。
―――「自分のマネージャーが、生きていく中でいけない事を犯してしまった。
この事は、いくらマネージャーと言えど、自分の指導不足により引き起こされた事。
この事件に関しては、自分にも同じく責任があります」―――
謝罪会見で、何度も口にした言葉。
貞永やあたしの名前は明かされる事はなかったけど、それでもあたしは…
キリキリと痛む胸を、押さえているしかなかった。
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