「というか、あゆは何にも知らないんだな」



「は…?」




意味が分からない発言をする貞永に、あたしのイライラは頂点に達しそう。


それでもあたしは、必死に唇を噛んで我慢をする。




「…さっきから何が言いたいの?貞永は」



「…そんなに教えて欲しい?」




ニヤッと笑う貞永とあたしの距離は、推定五センチメートル。

…いつの間に近付いてきたの、コイツ。




「あたしに近寄るな!」




咄嗟に胸板を押したあたしは、貞永に対して威嚇開始。


それが面白くなかったのか、貞永は諦める事なくあたしに近寄ってくる。




「ちょ、やめ―――」



「教えてやるよ。お前が今日から担当する芸能人は、

―――この、俺だ」




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