胸のドキドキが治まらないまま、あたしは貞永と自分達の楽屋へと向かう。
「おい、あゆ」
「………」
「シカトかよ」
「………」
「…ここでスるぞ?」
「ふざけんじゃないわよ!」
「そこは反応するんスね」
ただでさえ心臓が壊れそうなんだから、少しは黙ってなさいよ!
そう心でガミガミ怒りながら、あたしはさっきの冬馬の言葉をリピートしていた。
―――「貞永くんね、急にあゆを襲わなくなったでしょ。その理由はね…
“あゆを大切にしないんだったら、俺があゆを奪うよ?”って、俺が貞永くんと二人きりになったあの日に、喧嘩をふっかけたからなんだよ?」―――
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