「あゆは貞永くんに告白しないの?」
流れ続けていた涙がやっと止まり、佐田さんの楽屋へと急ぎ足で向かっていた途中、突然冬馬がこんな事を言い始めた。
「へ…?」
「だって、あゆに幸せになって欲しいんだもん」
…貞永と出会っていなかったら、きっとあたしは冬馬を好きになっていた。
そのくらい、冬馬の優しさが身に染みてきて。
「あたし…貞永には気持ち伝えないって決めたんだ」
「…なんで?」
だからあたしは、冬馬に本当の気持ちを伝える事にしたんだ。
「貞永を恋愛で振り回したくないの。それに、あたし達は「マネージャー」と「俳優」の関係だし、この気持ちはバレちゃダメなんだって思ってる」
「あゆ…」
冬馬の心配そうな声が聞こえてきても、無視するしかないの。
それしか、今のあたしと貞永を守る方法なんてないのだから…。
.

