「何がいいのよ」
「コーラ」
「はいはい」
結局、貞永にジュースを奢る事になってしまったあたし。
少し不服だけど、キンキンに冷えたコーラを貞永に渡す。
「あゆは何か飲まねーの?」
「あたしは誰かさんにコーラ奢ったから、小銭ないんですー!」
「札崩せばいいじゃねぇか」
「お札は崩したくないんですー!」
…なんていう低レベルな言い合いなんでしょう。
子供のように唇を尖がらせて反抗するあたしに呆れたのか、貞永はポケットから何かを取り出すと、あたしに向かって差し出してきた。
「開けろ」
「…へ?」
貞永が乱暴に差し出してきたのは…黒色のシックな財布。
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