「さ…貞永!?」
「俺を変人扱いした罰」
そう言いながら貞永はカバンの中を探る。
そして、この間買い換えたばかりの、まだ使い慣れていないあたしのお財布を抜き出した。
「あゆ?俺の分の飲みモン、奢ってな」
「はぁっ…!?」
無理矢理過ぎるその口実に、あたしは思わずまぬけな声を出してしまう。
…平常心を保とうとしてた自分がバカみたいに思えてきた。
貞永のペースに巻き込まれると、そんな事を考える必要もなくなってくる。
ただ、側に居るだけ。
それだけでいい。
貞永の側にいると…不思議と笑顔になれるんだ。
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