必死に抵抗していると、フッとオバケの手があたしの服から離れた。
その隙をついて、あたしは少しだけ乱れた服を整える。
…本当にオバケっていたんだ。
しかも、こんな真っ昼間に出るモンなんだね。
ひとつ、勉強になったよ。
「…中森さん?」
「って、は…はい!」
背後から聞こえる、オバケの肉声。
近頃のオバケは、声まで出るようになったの?
というか、なんであたしの名前を知ってるのよ!
自分でも信じられないほどに伸びる背筋。
絶対絶命のピンチに陥ったあたしは、オバケと友達になるくらいの覚悟を持って、勢いよく振り向いた。
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