都心にある高層ビル群の中に、ハッピードリームの本社があった。 ざっと見て、三十階建てくらい? いや、それよりもっと? とにかく、このビルの大きさはいかにハッピードリームが大企業であるかをしっかりと示していた。 …あたしはこれから、ここで夢を叶えるんだ。 不思議と緊張はしなかった。 家での自分が嘘みたい。 「よし!行こう!!」 あたしは大きく深呼吸をすると、ハッピードリームのビルの中へと足を踏み出した。 …まさか、ありえない展開があたしに襲い掛かるなんて、予想もしていなかったけど。 .