「何か、されたんだね」
「…でも、そんな大した事はされてないよ!ちょっと佐田さんが勘違いしてるみたいで…」
えへへ、と笑うあたしを、冬馬は何かを考えるように腕を組んで見ていた。
…この雰囲気、気まずい。
冬馬との間に流れる気まずい空気に、あたしは首をぶんぶんと振って笑った。
「もう冬馬、何考えてんのよっ!」
「何って、あゆ―――」
「だから言ったでしょ?大した事はされてないし、佐田さんにも悪気はないもん」
「でも―――」
「はいっ!この話は終わり終わり!あたし達仕事しないと!」
あたしは勢いよくイスから立ち上がると、ジーパンのポケットから手帳を取り出した。
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