「ぎゃあっ…!」
あたしの頭は突然開いたドアにぶつかり、女として情けない声を上げてしまう。
打った場所を押さえながらあたしは俯く。
…貞永がドアを開けたのね?
絶対に許さないんだから!
「貞永ぁ、アンタね―――」
顔を真っ赤にさせガンを飛ばすように目の前にいる相手を睨み付けた。
…と同時に、あたしの顔から表情が消える。
今あたしが睨み付けようとしたのは、貞永じゃない。
目の前にいるのは、貞永じゃない。
この人は…
「あれ?あゆだよね…?」
「…と、冬馬っ…?」
いるはずのない冬馬が、あたしの目の前で微笑んだ。
.

