うんとは言ったもののなんだか伝えにくいと、出た教室の扉に寄りかかり教室の中を覗く。


成宮は自席に戻り机に突っ伏していた。


そういえばと、誠は思い出す。


いつだったか、急に横から伸びてきた手を弾いたことがあった、それは紛れもなく先生に言った方がいいと言った成宮だったのだ。


「…行ってこよ」


丸くなった成宮の背中を見つめ気合いを入れて歩き出した。