全てがばれるのも、時間の問題に思えた。

しかし、やはり口裏合わせが効いたのか、夜中に来た雄太からのメールは、いたって普通だった。


『花火の埋め合わせ。明日とか、デートしない?(o^-^o)』


メールを開こうとする親指はかすかに震えていたのだが、その内容は、あたしの想像していたものとは全く違った。

ほっと胸をなでおろして、すぐに返事を打ち返す。


『いいよ(^^)私も会いたい』


このまま、あたしはうそが突き通せるものだと思っていた。

それと同時に、もう先生に関わるのはやめようと思った。


昨日だって、あたしはなにをはしゃいでいたんだろう。

せっかくトップコートまで塗ったのに、すっかり剥げ落ちてしまった爪先をみて、ため息をついた。


引き出しから除光液を取り出す。

コットンに含ませて爪に当てると、すぐにマニキュアはあたしの爪から消えて無くなった。


雄太にだけは、昨日のうそを見破られないようにしないといけない。


でも、最後に先生に握られた右手だけが、驚くほどに熱をおびていた。