夏休みもデートを重ねて、ケンカももちろんするけれど――あたしは、ますます先生しか見えなくなっていた。

でもそんな中で、幸せなあたしを悩ませる大きな問題が浮上した。


「どうしたの?浮かない顔して」


新学期も始まり、
いつものように、アキちゃんと雄太くんと3人で、放課後のマックタイム。


「うーん、ちょっと...」


ナイスタイミングで雄太くんがトイレに立ったすきに、アキちゃんにしか聞こえないようボソボソと喋り始めた。


「あの、その――アキちゃんは、えっと...」


「どうしたのよ」


早くしないと、雄太くんが戻ってきてしまう。

意を決してアキちゃんにできるだけ小声で話し始めた。


「アキちゃんは――その、したこと、ある...?」


「何を?」


「いや、だから――」


「ああ、エッチ?」


ダイレクトなアキちゃんに、あたしは持っていたポテトを落としてしまった。


「いや、まあ――はい」


「あたしにそんな経験あるわけないじゃない!中学ん時にできた彼氏とは2週間で別れたんだから」


アキちゃん、そこはえっへん、と自慢するところじゃありません。