「ったく。明日っから気をつけて帰るんだぞ?」
家の前まで来ると私をたしなめるように、
陽ちゃんはそう言って
自分家の方向へ足を向けた。
「陽ちゃんが私に雑用押し付けるからでしょー!」
またまた可愛くない私は陽ちゃんの言葉に言い返す。
「お前さー……言っただろー?もっと行事楽しめよ」
先生と呼ばない事に関してはスルーで、陽ちゃんは私に向き直る。
「……高校1年の秋はもう2度と来ないんだぞ?」
それでも
なんだかやけに
諭すような口調で
それがより一層
私と陽ちゃんの差を広げているような気がして
私はうつ向いた。
「……分かってる」
唇を噛み締めて地面を見つめる私の頭に
ズシッと重みがかかった。


