「アルト先輩…なんであたしの名前知ってるの?」 あたしもびっくりしてる 「それは……」 先輩はあたしの涙に気をとられているようだったけど 「……好きな子の名前くらい調べるでしょ?」 顔を赤く染めて照れながら呟いた 「え………?」 驚いたあたしの頬に目に溜まってた涙がぽろりとこぼれた 「はい」 シンプルな長方形の包みがあたしの前に差し出された それはピアノの上に置いてあった紙袋の中身