ピピピピピ・・・・・・・

 目覚まし時計が鳴る。

 「ん・・・・・・・・」

 芽衣は目覚まし時計を覘く。

   5:30

 アニメのような、お決まりのシーンみたいに寝坊はしない。
よたよたと起き、キッチンに向かう。
親も、料理もおいていなかった。

 
何も聞こえないキッチンですたすたと
料理を作る芽衣。

 
外とのあのおどおどしさも、

 
入学式の朝のような明るい表情はない。
冷め切った顔。

 
料理を作り終わり、皿を4つ並べる。
この家には1人しかいない。

 
だが、皿は4つ。
お茶碗も料理も、4人分。

 
 「いただきます」

 冷め切った顔で食べ始めた。