「しかし、このままでは、加藤さんもお困りでしょう?」
「た、確かにそうだけどな。」
「だったら、私が、ドアをけり壊してあげましょう。」
笑う執事に焦る加藤刑事。
「だから、ドアを壊しちゃダメなんだよ。」
「・・・・あの~・・・ドアを壊す壊さないは置いておいて、とりあえず、中の組長が出てくるようにしむければいいんですよね?」
私は、押し問答をしている執事と加藤刑事に声を掛ける。
私の言葉に動きが止まる執事と加藤刑事。
そして、2人は同時に言った。
「そのとおり。」
「だったら、とりあえず、組長を説得してみませんか?」
「・・・・・・・・できるのかい、お嬢ちゃん。」
加藤刑事が、私に尋ねた。
「できるに決まっています、ねぇ、小夜さん。」
何故か自信満々に私に声を掛ける執事。
「できるかは、わかりませんが、とりあえずやってみます。」
私は、自信なさげに答える。
「まぁ、ドアをケリ壊されるよりはマシだな。頼むよ、お嬢ちゃん。」
「わかりました。」
私は、執事と加藤刑事の期待の視線を浴びながら、取調室のドアの前へと向った。