稀「透明のネックレスだねっ!買ったの?」


稀琉が子どもみたいな顔で聞いてくる。


ク「……貰った」


クロムは少しだけ目をそらしながら言った。


稀「貰った?誰に――」


刹「クーロームー!」


ク「!」


稀琉が聞いた瞬間、刹那がこっちに走ってきた。


刹「コート明日になりそうだからコレでちょっと我慢してて」


「稀琉が持ってったの薄いやつだったから」と刹那は厚手のコートを渡した。


ク「あ…あぁ。悪い」


クロムは、厚手コートを着て薄手のコートを返した。


稀「あっ、ゴメンね、クロム」


ク「別に謝る必要なんかねぇよ。…じゃあ、俺は寝るぞ。疲れた………」


刹「了解っ。おやすみ」


稀「ロスもおやすみ〜」


ロ「あぁ、おやすみ」


クロムとロスは自室に戻った。


ク「………」


ドサッとベッドに倒れるクロム。


朝日が眩しい。


シャッ!


乱暴にカーテンしめる。


そんなクロムにロスが「稀琉にネックレスの事、聞かれて……思い出しちゃった?」と聞いた。


ビクッ


ロスの言葉に眉をひそめるクロム。


ク「……あの日の事を……忘れた事なんか1度もねぇよ……」


そう言うとギュッと胸にあるネックレスを握った………。


【第2夜 完】