Devil†Story

それから俺にとって苦痛の日々が続いた。特別授業でペアで行動しないといけなかった。


行く先の村の歴史から人間の性質…ペアで動くための勉強にレポート提出。


学校に行くたびに俺のはストレスを感じずにはいられなかった。…言っても提出物は全てクローディアが出していたし、筆記的な授業は我慢できずに何度もバックれた。

それでは困るはずなのにクローディアは何も言わないどころか「これで出していいかな…?」と提出レポートをわざわざ2つ書いて俺に渡してきていた。


…ムカつく。放っておけばいいのに。わざわざ目の下に隈を作ってまで倍の仕事するのかよ。ご機嫌とりか?いや…こいつの事だからそんな腹黒いことはないか。


そう言いながらもヤナはクローディアがまとめたレポートは全て目を通していた。元々は真面目なタイプ。嫌いでサボるようになったとはいえ本質的な部分はそう変わらない。それに本人は気付いてはいないが。


(……馬鹿みたいに丁寧に書いてる…提出してるレポートよりも。誰が見ても分かるようにしてる。しかも俺がバックれた授業はわざわざ色別にして"ポイント"って書いてる……)


元々勉強は嫌いではなかった。見れば大体頭に入るし、知らないことがあることが彼にとっては嫌であったから。


前は人間についてもよく学んでいた。特に人間の作るお菓子という甘い物も自分で学んで作ってみたこともある程気に入っていた。…今は人間という単語を聞くだけでも嫌悪感を持っているが。


だからこそクローディアが作成したレポートの完成度は分かっていた。


(…こいつも勉強はできんだけどな)


はぁ…とため息をつきながらレポートを机の上に軽く投げて置く。


知識は上位であるクローディア。そんな彼女は実技がまるで出来なかった。


この実技の時間が最大の苦痛であった。一度あまりにも苦痛でバックれたことがあったのだが…補習として授業の倍やらされたのだ。
実技担当の教師がいわゆる熱血タイプだったからだ。


「実技はペアで何よりも必要なことだ!」


暑苦しい笑顔でそうクソ野郎からは逃げられない。


「…はぁ」


再度大きなため息をついた。何せ今からその実技の授業なのだ。


人間で言う体育の時間なので他のクラスメイトは皆動きやすい格好に着替えて行った。


渋々立ち上がる。遅刻すれば倍までいかなくても20分以上はプラスで授業させられる。


つけていたネクタイだけ机の上に投げ捨てて何度目か分からないため息をついた。