ロスが部屋から出て行ってから数十分。
稀琉は今までのことを思い出していた。
入れ替わるとき……オレは確かに壊れかけていた。
心が…悲鳴をあげている時だった。
それに思い返してみると入れ替わるとき……彼に優しさを感じた。
いつもオレを労ってくれていた。
もしかするとオレが思っていることは……違うのかもしれない。
きっと今までオレが思っていたことも分かっているだろう。
だから向き合うと決めた。
スッと目を瞑り脳内にあの青い海を浮かべた。
いつも……ここを降りて行ったはずだ。
あの蒼く黒い闇の中へ。
ゆっくりと…その流れに身を委ねながら下へ下へと降りて行った。
気泡が口から漏れるのを感じながら。
いつもはつらいと思っていたけど……今日は違う。
寧ろ何故か………。
そんなことを考えているうちに足が地面についた。
「!」
目を開けるとあの蒼い闇が広がっていた。
きっと…この何処かに。
歩き出そうとした時だった。
ーーウゥ…
「!!」
前の方から何かが聞こえてきた。
それは泣いているようにも感じられたくらい…悲しみの含まれている声であった。
「……」
この先の……あの場所に彼はいる。
何故か稀琉には彼のいる場所が分かった。
そのままゆっくりと歩いて行く。
声は段々と大きくなってきた。
その数メートル先。
ーー居た。
稀琉は目を細めるようにその姿を見た。
一筋の光が射しているその奥に着物を着た自分と同じようなツノが生えている人物が居た。
後ろを向いているが両手で顔を覆っているのが分かる。
「ウゥ……クッ……」
近くに来て確信した。
やはり彼は泣いている。
何かを嘆いている。
「……あの」
「!」
ビクリと肩が跳ね上がり、微かにこちらを向いた。
「ア…主人…!?」
その声には驚きが含まれている。
「何故ココニ……」
「……オレね、ずっと君と話がしたかったんだ。ずーっと逃げていたけど……」
「………」
こちらを向こうとはしないがオレは構わず話し続ける。
「それにオレはずっと勘違いをーー「勘違イスルナ」
「え?」
稀琉の言葉に被せるように青鬼は低い声でそう言った。
「何ヲ思ッタノカハ知ラヌガ…俺ハ鬼ダ。キ…貴公ガ考エテイル事ハ違ウ。俺ハ貴公ヲ助ケタ訳デハナイ。コノ体ガナイト困ルカラダ。俺ガ入レ替ワナケレバ過去と向キ会エヌ弱者二用ハナイ。サッサト戻ルガイイ」
そうはっきりと青鬼は相変わらずこちらも見ずに言い放った。
「………」
しかし稀琉は動かない。
「ドウシタ?戻ル事スラママナラナイノカ。サッサト俺ノ視界カラ消エロ。臆病者ガ」
再び厳しい言葉で罵倒したその雰囲気、声のトーンを聞いてあることを確信した稀琉は静かにこう言った。
「……ねぇ。なんで嘘つくの?」
「!」
「嘘だよね?その言葉。オレは嘘の話し合いをしに来たわけじゃないよ」
「ナニヲ…本心ダ!俺ハ貴公二嘘ナドツイテハオラヌ!俺ハ地獄ノ使者ダ。早ク消エロ!」
やたらにオレをここから追い出したがる。
やっぱりこの人は嘘をついている。
「…それもオレのため?」
「!」
僅かに息を飲む音が聞こえた。
稀琉は今までのことを思い出していた。
入れ替わるとき……オレは確かに壊れかけていた。
心が…悲鳴をあげている時だった。
それに思い返してみると入れ替わるとき……彼に優しさを感じた。
いつもオレを労ってくれていた。
もしかするとオレが思っていることは……違うのかもしれない。
きっと今までオレが思っていたことも分かっているだろう。
だから向き合うと決めた。
スッと目を瞑り脳内にあの青い海を浮かべた。
いつも……ここを降りて行ったはずだ。
あの蒼く黒い闇の中へ。
ゆっくりと…その流れに身を委ねながら下へ下へと降りて行った。
気泡が口から漏れるのを感じながら。
いつもはつらいと思っていたけど……今日は違う。
寧ろ何故か………。
そんなことを考えているうちに足が地面についた。
「!」
目を開けるとあの蒼い闇が広がっていた。
きっと…この何処かに。
歩き出そうとした時だった。
ーーウゥ…
「!!」
前の方から何かが聞こえてきた。
それは泣いているようにも感じられたくらい…悲しみの含まれている声であった。
「……」
この先の……あの場所に彼はいる。
何故か稀琉には彼のいる場所が分かった。
そのままゆっくりと歩いて行く。
声は段々と大きくなってきた。
その数メートル先。
ーー居た。
稀琉は目を細めるようにその姿を見た。
一筋の光が射しているその奥に着物を着た自分と同じようなツノが生えている人物が居た。
後ろを向いているが両手で顔を覆っているのが分かる。
「ウゥ……クッ……」
近くに来て確信した。
やはり彼は泣いている。
何かを嘆いている。
「……あの」
「!」
ビクリと肩が跳ね上がり、微かにこちらを向いた。
「ア…主人…!?」
その声には驚きが含まれている。
「何故ココニ……」
「……オレね、ずっと君と話がしたかったんだ。ずーっと逃げていたけど……」
「………」
こちらを向こうとはしないがオレは構わず話し続ける。
「それにオレはずっと勘違いをーー「勘違イスルナ」
「え?」
稀琉の言葉に被せるように青鬼は低い声でそう言った。
「何ヲ思ッタノカハ知ラヌガ…俺ハ鬼ダ。キ…貴公ガ考エテイル事ハ違ウ。俺ハ貴公ヲ助ケタ訳デハナイ。コノ体ガナイト困ルカラダ。俺ガ入レ替ワナケレバ過去と向キ会エヌ弱者二用ハナイ。サッサト戻ルガイイ」
そうはっきりと青鬼は相変わらずこちらも見ずに言い放った。
「………」
しかし稀琉は動かない。
「ドウシタ?戻ル事スラママナラナイノカ。サッサト俺ノ視界カラ消エロ。臆病者ガ」
再び厳しい言葉で罵倒したその雰囲気、声のトーンを聞いてあることを確信した稀琉は静かにこう言った。
「……ねぇ。なんで嘘つくの?」
「!」
「嘘だよね?その言葉。オレは嘘の話し合いをしに来たわけじゃないよ」
「ナニヲ…本心ダ!俺ハ貴公二嘘ナドツイテハオラヌ!俺ハ地獄ノ使者ダ。早ク消エロ!」
やたらにオレをここから追い出したがる。
やっぱりこの人は嘘をついている。
「…それもオレのため?」
「!」
僅かに息を飲む音が聞こえた。

