ーー夜。
また麗弥は昼に持って行ったままのトレーを持って談話室に戻ってきた。
「昼のも食べてへんな。…そろそろ点滴になるよな」
そう言う麗弥にため息をつきながら刹那は答えた。
「…うん。そろそろまずいから…点滴で栄養を無理矢理流し込むしかなくなるかな…。でも…」
「正直やりたくあらへん…やろ?」
「うん…」
「それしちゃうとますます飯食ってくれなくなるもんな」
大きなため息を再びつきながら刹那は頷いた。
ーー一方その頃。
クロムたちは普段通りと変わらずに会話していた。その時だった。
ーーどんどんどんどん
「!」
部屋の外から大きなノック音が聞こえてきた。
「誰だー?こんな時間に」
「このノック音…まさか…」
クロムの嫌な予感は的中した。
「クロムちゃーん!ロスちゃーん!!開けてちょうだーい!!」
「げっ…!」
「この声は…ママ!」
ママとはBCのコック長をしている大柄な女性で、優しく面倒見がいいためお母さんとかおかみさんとか、ママと言われている。
「なんでママが…」
「あのババァが来るとろくな目にあわねぇ。シカトするぞ、シカト」
そのお節介な性格の為、色々な頼みごとをされることがある。それがクロムは苦手であった。
「ちょっとー!?いるんでしょー!?」
「…あのさ、クロム」
「んだよ!黙ってろって!」
「おーい!!」
どんどんどんどんと未だに叩きつける音がする中ロスは淡々と答える。
「多分さママなら…」
「開ける気がないなら…」
ガチャガチャとドアノブから音がする。
「居留守使ってもーー」
そこまで言った瞬間勢いよく扉が開かれた。
「!!」
それと同時にクロムは布団の中に潜り込んだ。
「このあたしを出し抜こうたってそうはいかないわよ!」
ママがそう言って部屋に入って来る。
「無駄だと思うよ。だってママだもん」
ロスは驚きながらママの手を見る。その手には合鍵の束が握り締められてきた。
「や、やぁ。ママ」
ロスはニコリと苦笑いしながら手を挙げた。
「やっぱり居たわねロスちゃん!アンタ全然食堂に来ないじゃないか!たまにはきちんと食べなきゃダメよ!」
「今度行くよ〜。あはは」
ロスとの挨拶もそこそこにすぐにベッドに目を向けるママ。
(バカ…ママにそれはきかねぇって)
「隠れても…」
ロスの心配もよそにドカドカとベッドに近づきながらママは掛け布団を力強く握った。
「あたしの目は誤魔化されないわ!!」
バッと勢いよく掛け布団が引っ張られる。
(あーあ、今度は何頼まれるんだか…)
「さぁ!観念おしーー…ってあら?寝てる?」
(!!嘘だろ!?)
剥がされた布団の中を見てロスは目を大きく開けた。何故ならクロムが寝たふりをしていたからだ。
(こいつ…マジか。そんなにママと会いたくねぇのかよ)
ほんとに寝ているように寝息を立てているクロムに感心した。
「あらあらぐっすり寝ちゃって…そうよねクロムちゃんも疲れてるわよね」
そう言ってママは掛け布団を優しく掛け直した。
(え?今日のママ諦め早くね?まぁ怪我してんのは事実だしな…)
「お邪魔したわね、ロスちゃん」
「いいえー」
本当に帰ろうと後ろを向いたママに驚きながらクロムをちらりと見ると僅かに口元がにやけていた。
(こいつ…!にやけやがって)
「ーーそうだわ!」
扉の近くまで行ったはずのママはそう言ってくるりと身を翻して戻ってきた。
「どうしたの?ママ」
「ほらぁクロムちゃんいつも隙がないから…今のうちって思って」
その言葉にクロムは再び嫌な予感がした。
掛け布団をめくり、やすやすとクロムのことを持ち上げる。
「ま、まさかママ…」
ロスが引く中、ママはにっこりと笑いながら「これでぎゅーし放題よね?」と言った。
(嘘だろ…!?このババァ正気かよ!?寝込みを襲うとか…!!)
寝たふりをしていたクロムも思わず眉に力が入る。
そのままママは「ふふふ、クロムちゃんをぎゅーってして愛情パワーでもっと安眠させてあげるわー!」と引き寄せた。
もう少しで抱擁…というところでクロムの我慢の限界が来た。
「まっ…待て!!やめろ!」
そう言った瞬間、動きは止まったが代わりに掴んでいた手に力が入った。
「やっぱりねークロムちゃん。ぜーんぶお見通しよ〜。さて、お願いがあるんだけど…」
「クソババァ…」
「あーら?小さくてよく聞こえなかったわー?もっと近づかないとねぇ?」
再び引き寄せられそうになったクロムは慌てて「なんだよ?って聞いただけだって!!離せ!!」と答える。
「そーお?あのねクロムちゃん…」
こうしてお願いをしていくママを見てロスは「やっぱこの人スゲェな…」と感心していた。
また麗弥は昼に持って行ったままのトレーを持って談話室に戻ってきた。
「昼のも食べてへんな。…そろそろ点滴になるよな」
そう言う麗弥にため息をつきながら刹那は答えた。
「…うん。そろそろまずいから…点滴で栄養を無理矢理流し込むしかなくなるかな…。でも…」
「正直やりたくあらへん…やろ?」
「うん…」
「それしちゃうとますます飯食ってくれなくなるもんな」
大きなため息を再びつきながら刹那は頷いた。
ーー一方その頃。
クロムたちは普段通りと変わらずに会話していた。その時だった。
ーーどんどんどんどん
「!」
部屋の外から大きなノック音が聞こえてきた。
「誰だー?こんな時間に」
「このノック音…まさか…」
クロムの嫌な予感は的中した。
「クロムちゃーん!ロスちゃーん!!開けてちょうだーい!!」
「げっ…!」
「この声は…ママ!」
ママとはBCのコック長をしている大柄な女性で、優しく面倒見がいいためお母さんとかおかみさんとか、ママと言われている。
「なんでママが…」
「あのババァが来るとろくな目にあわねぇ。シカトするぞ、シカト」
そのお節介な性格の為、色々な頼みごとをされることがある。それがクロムは苦手であった。
「ちょっとー!?いるんでしょー!?」
「…あのさ、クロム」
「んだよ!黙ってろって!」
「おーい!!」
どんどんどんどんと未だに叩きつける音がする中ロスは淡々と答える。
「多分さママなら…」
「開ける気がないなら…」
ガチャガチャとドアノブから音がする。
「居留守使ってもーー」
そこまで言った瞬間勢いよく扉が開かれた。
「!!」
それと同時にクロムは布団の中に潜り込んだ。
「このあたしを出し抜こうたってそうはいかないわよ!」
ママがそう言って部屋に入って来る。
「無駄だと思うよ。だってママだもん」
ロスは驚きながらママの手を見る。その手には合鍵の束が握り締められてきた。
「や、やぁ。ママ」
ロスはニコリと苦笑いしながら手を挙げた。
「やっぱり居たわねロスちゃん!アンタ全然食堂に来ないじゃないか!たまにはきちんと食べなきゃダメよ!」
「今度行くよ〜。あはは」
ロスとの挨拶もそこそこにすぐにベッドに目を向けるママ。
(バカ…ママにそれはきかねぇって)
「隠れても…」
ロスの心配もよそにドカドカとベッドに近づきながらママは掛け布団を力強く握った。
「あたしの目は誤魔化されないわ!!」
バッと勢いよく掛け布団が引っ張られる。
(あーあ、今度は何頼まれるんだか…)
「さぁ!観念おしーー…ってあら?寝てる?」
(!!嘘だろ!?)
剥がされた布団の中を見てロスは目を大きく開けた。何故ならクロムが寝たふりをしていたからだ。
(こいつ…マジか。そんなにママと会いたくねぇのかよ)
ほんとに寝ているように寝息を立てているクロムに感心した。
「あらあらぐっすり寝ちゃって…そうよねクロムちゃんも疲れてるわよね」
そう言ってママは掛け布団を優しく掛け直した。
(え?今日のママ諦め早くね?まぁ怪我してんのは事実だしな…)
「お邪魔したわね、ロスちゃん」
「いいえー」
本当に帰ろうと後ろを向いたママに驚きながらクロムをちらりと見ると僅かに口元がにやけていた。
(こいつ…!にやけやがって)
「ーーそうだわ!」
扉の近くまで行ったはずのママはそう言ってくるりと身を翻して戻ってきた。
「どうしたの?ママ」
「ほらぁクロムちゃんいつも隙がないから…今のうちって思って」
その言葉にクロムは再び嫌な予感がした。
掛け布団をめくり、やすやすとクロムのことを持ち上げる。
「ま、まさかママ…」
ロスが引く中、ママはにっこりと笑いながら「これでぎゅーし放題よね?」と言った。
(嘘だろ…!?このババァ正気かよ!?寝込みを襲うとか…!!)
寝たふりをしていたクロムも思わず眉に力が入る。
そのままママは「ふふふ、クロムちゃんをぎゅーってして愛情パワーでもっと安眠させてあげるわー!」と引き寄せた。
もう少しで抱擁…というところでクロムの我慢の限界が来た。
「まっ…待て!!やめろ!」
そう言った瞬間、動きは止まったが代わりに掴んでいた手に力が入った。
「やっぱりねークロムちゃん。ぜーんぶお見通しよ〜。さて、お願いがあるんだけど…」
「クソババァ…」
「あーら?小さくてよく聞こえなかったわー?もっと近づかないとねぇ?」
再び引き寄せられそうになったクロムは慌てて「なんだよ?って聞いただけだって!!離せ!!」と答える。
「そーお?あのねクロムちゃん…」
こうしてお願いをしていくママを見てロスは「やっぱこの人スゲェな…」と感心していた。

