「…で?お前らの目的はなんだったんだ?何故、俺たちを狙う?」
「えーっと……」
ソルトとミシェルはちらりとロスを見た。
どうやら、今までやってきたことは執事に聞かれると怒られることらしい。
だから、怒られないようにして欲しかったのだろう。
縋るような目でロスを見ていた。
それに気付いたロスはニコリと笑って口を開いた。
「あー、執事さん達さ。言いたいことがあると思うけどとりあえず一旦黙って聞いててな?」
その言葉に2人の執事は姿勢を崩さずに頷いた。
それを見た2人は安心したように話し始めた。
「目的だよね。目的は…僕たちはそもそもこの世界を……狂わせる為に集まってたんだ」
「はー…それはなんとまぁ…」
「中学生のガキのような発想だな」
クロムとロスがそう言う。
確かに自分たちもこの世界が世間一般に言われているような幸せで溢れかえってるような世界ではないことを身を以て知っている。
この世界が消えてしまえばと思ったこともあった。
しかし、それを実行しようとは当たり前だが思ってなどいなかった。
「この世界になってから…そんなことを考える奴は随分聞かなかったが、居るんだなぁ…」
「黎音様はこの世界が憎いって言ってたの。ミシェル達も…ルールが多すぎるこの世界がつまらないと思ってたから…なんとなくその気持ちが分かったの」
執事が聞いているからか、言葉を選んでミシェルはつづける。
「出会いは55年前位だった。知っての通り家出してた僕たちが路頭に迷ってた時に…声をかけてくれたのが黎音様だった。ヒースや父さんには悪かったと思うけど…でも、きちんと命令さえ守ればそれ以外は自由にしてて良かったから楽しかったよ。だけど……その時にロスお兄ちゃんはわかると思うけど契約の代わりに何かを犠牲にしなければならなかった」
「ミシェルはゼノの命。ソルトは銀狼の力のリミッター、キシは転生後も黎音様の所で契約すること、ヤナはクローディアちゃんの命」
「もっとも、ヤナは無理やりだったみたいだけど」と続けた。
「それを普通の契約ではなく黎音様は呪いという形で契約してたの」
「呪い……」
ぼそりとクロムは呟いた。本人も呟いたことに気付かないくらい小さな声だった。
聞こえていない2人はそのまま話を続けた。
「だから、その為の仲間を集めるのに…黎音様はすごくこだわりがあったみたい。そこで、目をつけられたのが……」
「………俺らって訳か」
クロムの言葉に頷く2人。
「じゃあ、実質…もう刺客として寄越されてた奴はもうお前達で最後になるってわけか」
「うん。僕たち以外はもう誰もいないよ」
ロスの言葉にソルトはそう答えた。
「だが、腑に落ちないな。確かに俺やロスは貴重な人材かもしれない。しかし、だったら稀琉や麗弥も選ばれてもいいと思うが。まぁ、仮に麗弥は醜鬼でこだわりがある奴なら対象外になったとしても、稀琉は貴重な存在になるだろうからな。それでも、俺たち…特に俺だろう?お前達が連れて行きたがってたのは。何故その黎音って奴は俺に執着してたんだ?」
「それは、僕たちも詳しくは分からなかったけど…何故か黎音様はクロムお兄ちゃんを一番に連れて来て欲しかったみたい。それに対してとっても敏感になってたよ。後………あれ?」
「えっとね、確か……あ、あれ?」
そこまで言って2人は言葉を詰まらせた。
「どうした?」
「あのね……思い出せないんだ」
「ハッ?」
ソルトの言葉にクロムは怪訝そうに眉をひそめた。
「なんだろ……。すごく大切な理由だった気がしたんだけど…まるでそこだけ切り取られたように記憶が、曖昧なんだ」
「その部分だけ…靄がかかってるみたいに、思い出せないの」
2人の様子に嘘をついているようには思えなかった。
本当にその部分だけ思い出せないようだ。
「…そこも呪いの影響だろうな。万が一、呪いが途絶えても情報が漏れないようにする為の細工だろう」
ロスが静かにそう言った。
「なるほど…。じゃあ、理由についてはそれ以上のことは分からないか…。前にその黎音って奴の容姿について軽く聞いたんだが…黒髪紅い目の男なんだよな?」
「うん。普段はずっとフードを被っててよく見えなかったけど……。なんとなくクロムお兄ちゃんに雰囲気が似てる人だった気がするよ」
ーードクンッ
ークロムお兄ちゃんに似てるー
その言葉を聞いた時、クロムは異常な嫌悪感を覚えた。
見たこともない男で、素性も分からない男の話なのに。
俺に似ている雰囲気の奴なんか魔物の中にはたくさんいるだろうに。
でも………あの時の男と同じような見た目だったからかもしれない。
あいつかなんて分からない。
だが以前ヤナから聞いた「紅い目の魔物はそうそういない」と、いう言葉が嫌に頭によぎった。
そうそういない姿なのかもしれない。
共通点が多いからそう思うのかもしれない。
とにかく…今はこれ以上の情報は出ないだろう。
余計なことを考えるのは稀琉のことを片付けてからにしよう。
そう思い無理やりその嫌悪感を振り払った。
「にゃるほどねー。まぁ、大体わかったよ。ありがとな」
「うん!」
ロスが2人の頭を撫でると2人は嬉しそうに笑った。
「えーっと……」
ソルトとミシェルはちらりとロスを見た。
どうやら、今までやってきたことは執事に聞かれると怒られることらしい。
だから、怒られないようにして欲しかったのだろう。
縋るような目でロスを見ていた。
それに気付いたロスはニコリと笑って口を開いた。
「あー、執事さん達さ。言いたいことがあると思うけどとりあえず一旦黙って聞いててな?」
その言葉に2人の執事は姿勢を崩さずに頷いた。
それを見た2人は安心したように話し始めた。
「目的だよね。目的は…僕たちはそもそもこの世界を……狂わせる為に集まってたんだ」
「はー…それはなんとまぁ…」
「中学生のガキのような発想だな」
クロムとロスがそう言う。
確かに自分たちもこの世界が世間一般に言われているような幸せで溢れかえってるような世界ではないことを身を以て知っている。
この世界が消えてしまえばと思ったこともあった。
しかし、それを実行しようとは当たり前だが思ってなどいなかった。
「この世界になってから…そんなことを考える奴は随分聞かなかったが、居るんだなぁ…」
「黎音様はこの世界が憎いって言ってたの。ミシェル達も…ルールが多すぎるこの世界がつまらないと思ってたから…なんとなくその気持ちが分かったの」
執事が聞いているからか、言葉を選んでミシェルはつづける。
「出会いは55年前位だった。知っての通り家出してた僕たちが路頭に迷ってた時に…声をかけてくれたのが黎音様だった。ヒースや父さんには悪かったと思うけど…でも、きちんと命令さえ守ればそれ以外は自由にしてて良かったから楽しかったよ。だけど……その時にロスお兄ちゃんはわかると思うけど契約の代わりに何かを犠牲にしなければならなかった」
「ミシェルはゼノの命。ソルトは銀狼の力のリミッター、キシは転生後も黎音様の所で契約すること、ヤナはクローディアちゃんの命」
「もっとも、ヤナは無理やりだったみたいだけど」と続けた。
「それを普通の契約ではなく黎音様は呪いという形で契約してたの」
「呪い……」
ぼそりとクロムは呟いた。本人も呟いたことに気付かないくらい小さな声だった。
聞こえていない2人はそのまま話を続けた。
「だから、その為の仲間を集めるのに…黎音様はすごくこだわりがあったみたい。そこで、目をつけられたのが……」
「………俺らって訳か」
クロムの言葉に頷く2人。
「じゃあ、実質…もう刺客として寄越されてた奴はもうお前達で最後になるってわけか」
「うん。僕たち以外はもう誰もいないよ」
ロスの言葉にソルトはそう答えた。
「だが、腑に落ちないな。確かに俺やロスは貴重な人材かもしれない。しかし、だったら稀琉や麗弥も選ばれてもいいと思うが。まぁ、仮に麗弥は醜鬼でこだわりがある奴なら対象外になったとしても、稀琉は貴重な存在になるだろうからな。それでも、俺たち…特に俺だろう?お前達が連れて行きたがってたのは。何故その黎音って奴は俺に執着してたんだ?」
「それは、僕たちも詳しくは分からなかったけど…何故か黎音様はクロムお兄ちゃんを一番に連れて来て欲しかったみたい。それに対してとっても敏感になってたよ。後………あれ?」
「えっとね、確か……あ、あれ?」
そこまで言って2人は言葉を詰まらせた。
「どうした?」
「あのね……思い出せないんだ」
「ハッ?」
ソルトの言葉にクロムは怪訝そうに眉をひそめた。
「なんだろ……。すごく大切な理由だった気がしたんだけど…まるでそこだけ切り取られたように記憶が、曖昧なんだ」
「その部分だけ…靄がかかってるみたいに、思い出せないの」
2人の様子に嘘をついているようには思えなかった。
本当にその部分だけ思い出せないようだ。
「…そこも呪いの影響だろうな。万が一、呪いが途絶えても情報が漏れないようにする為の細工だろう」
ロスが静かにそう言った。
「なるほど…。じゃあ、理由についてはそれ以上のことは分からないか…。前にその黎音って奴の容姿について軽く聞いたんだが…黒髪紅い目の男なんだよな?」
「うん。普段はずっとフードを被っててよく見えなかったけど……。なんとなくクロムお兄ちゃんに雰囲気が似てる人だった気がするよ」
ーードクンッ
ークロムお兄ちゃんに似てるー
その言葉を聞いた時、クロムは異常な嫌悪感を覚えた。
見たこともない男で、素性も分からない男の話なのに。
俺に似ている雰囲気の奴なんか魔物の中にはたくさんいるだろうに。
でも………あの時の男と同じような見た目だったからかもしれない。
あいつかなんて分からない。
だが以前ヤナから聞いた「紅い目の魔物はそうそういない」と、いう言葉が嫌に頭によぎった。
そうそういない姿なのかもしれない。
共通点が多いからそう思うのかもしれない。
とにかく…今はこれ以上の情報は出ないだろう。
余計なことを考えるのは稀琉のことを片付けてからにしよう。
そう思い無理やりその嫌悪感を振り払った。
「にゃるほどねー。まぁ、大体わかったよ。ありがとな」
「うん!」
ロスが2人の頭を撫でると2人は嬉しそうに笑った。

