----同時刻。クロム side
「…ロス」
羽を広げ、あの犬っころを踏みつけるロスに声を掛ける。
しかし、ロスは返事もせずにいつものヘラヘラした表情ではなく、冷たい眼差しで犬っころを見ていた。
「…………」
「…?」
雰囲気が違う。
まずいつもより羽がでかい。
それに、普段は触られるのが嫌で出さない尻尾まで出してる。
何より…その威圧感が肌に触れ、痛みを錯覚させるくらいのものであった。
「……これはこれは、狼族とドールテイマーにこんなとこで会うなんて…珍しいこともあったもんだな?それも、狼族の方は…銀狼。跡取りだな。そんな奴らが…なんでこんな所にいるんだ?」
「ッ…!!」
2人は声も出ないほど怯えているのか、体を震わせてロスを見ていた。
「あぁ、俺たちを付け狙ってる奴らの部下だったっけ?今は。……いくらお前らが若いからと…相手にしていい相手かどうか分かるだろう?お前らの本能が警告しているはずだよなぁ?契約者の俺を差し置いてこいつを連れてくなんて…ちょっと仕置きが必要なようだな。…ガキども」
「…!!!」
ロスは僅かに目を大きくしながら更に威圧感…いや、殺気を出しながら餓鬼に言い放った。
それだけなのに身動きすら取れないほど、ガキどもは震えている。
歯がカチカチと鳴る音が俺の位置からでも聞こえるほど。
「…ミシェル!」
ドールのゼノと言われた男が危険を察知したのか、ロスに飛びかかった。
「…!だ、め…ゼノ……!」
絞り出すように女の方の餓鬼が声をあげた。
ロスに攻撃しようと飛びかかった男をロスは睨みつけるように見た。
「……またドールか。よくできてるなぁ。でも、悪いけど俺は今…ものすごく機嫌が悪いんだよ」
ロスの目が怪しく光った。
「!?」
それだけで男の動きは止まった…いや、止められた。
見えない何かに縛り付けられているのか全く動かず、男は僅かに身をよじる。
「ドールだから主人に忠誠するのは仕方ないが…加減できねぇぞ」
「ぐっ…!」
まるで見えない縄で縛られているかのようにミシミシと音を立てながら男の体は締め付けられている。
「ぐあっ…」
「いやっ…!や、めて…」
「そんなにこのドールが大切か?お前もドールテイマーなら分かると思うけど…自分が作った、或いは契約してる相手が勝手に壊されたり、連れてかれると頭にくるんだよねー……」
ニヤリと笑ったロスはミシェルを見た。
ビクリとミシェルは肩を震わせる。
「俺、相当頭にきてるって分かった?だから、お前のお気に入りも……ぶっ壊してやるよ」
グッと手の平を男の方へ向けたロス。
それと同時に男は苦しそうな声をあげた。
「ぐぅっ……」
「ゼノ…!お、お願いします!やめてください…!私達が悪かったです…!ごめんなさい、許してください…!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!!」
「ミ…シェル…!お、れのことはいいから…早く逃げろ…」
絞り上げるような声でゼノはそれでも、主人であるミシェルの心配をする。
「や…やめてぇー!!!」
ミシェルが悲痛な声で叫んだ。
涙がボロボロと流れていく。
それでも、ロスはやめようとせず口角を上げながら笑った。
…おいおい、やり過ぎじゃねぇか?
流石のクロムも普段はしないようなロスの行動に疑問を抱く。
さっきの自分の所有物みたいな言い方には腹立つが…悪魔であるロスにはロスの考えがあるのは分かる。
でも、流石にガキ相手にやり過ぎだろ。
変なスイッチ入ってんじゃねぇか?
その間にも男の体は締め付けられている。
このままじゃぶっ壊れんのも時間の問題…か。
クロムは威圧感で体が痺れるような感覚を感じながら、頭の中でそう考えていた。
段々と変な方向に曲がっていく男の体。
更に泣き叫ぶミシェル、恐怖で動けないソルト。
2人は動けそうもなかった。
動けないのでは、ゼノはますます締め付けられてやがて絞られる雑巾のように圧迫されるだろう。
誰もがゼノの死を予想していた時だった。
ーーーガシッ
「!」
誰かがロスの腕を掴んだ。一体なんだと後ろを振り返る。
「……そのへんにしとけよ、ロス」
そこにいたのはクロムであった。
「…ロス」
羽を広げ、あの犬っころを踏みつけるロスに声を掛ける。
しかし、ロスは返事もせずにいつものヘラヘラした表情ではなく、冷たい眼差しで犬っころを見ていた。
「…………」
「…?」
雰囲気が違う。
まずいつもより羽がでかい。
それに、普段は触られるのが嫌で出さない尻尾まで出してる。
何より…その威圧感が肌に触れ、痛みを錯覚させるくらいのものであった。
「……これはこれは、狼族とドールテイマーにこんなとこで会うなんて…珍しいこともあったもんだな?それも、狼族の方は…銀狼。跡取りだな。そんな奴らが…なんでこんな所にいるんだ?」
「ッ…!!」
2人は声も出ないほど怯えているのか、体を震わせてロスを見ていた。
「あぁ、俺たちを付け狙ってる奴らの部下だったっけ?今は。……いくらお前らが若いからと…相手にしていい相手かどうか分かるだろう?お前らの本能が警告しているはずだよなぁ?契約者の俺を差し置いてこいつを連れてくなんて…ちょっと仕置きが必要なようだな。…ガキども」
「…!!!」
ロスは僅かに目を大きくしながら更に威圧感…いや、殺気を出しながら餓鬼に言い放った。
それだけなのに身動きすら取れないほど、ガキどもは震えている。
歯がカチカチと鳴る音が俺の位置からでも聞こえるほど。
「…ミシェル!」
ドールのゼノと言われた男が危険を察知したのか、ロスに飛びかかった。
「…!だ、め…ゼノ……!」
絞り出すように女の方の餓鬼が声をあげた。
ロスに攻撃しようと飛びかかった男をロスは睨みつけるように見た。
「……またドールか。よくできてるなぁ。でも、悪いけど俺は今…ものすごく機嫌が悪いんだよ」
ロスの目が怪しく光った。
「!?」
それだけで男の動きは止まった…いや、止められた。
見えない何かに縛り付けられているのか全く動かず、男は僅かに身をよじる。
「ドールだから主人に忠誠するのは仕方ないが…加減できねぇぞ」
「ぐっ…!」
まるで見えない縄で縛られているかのようにミシミシと音を立てながら男の体は締め付けられている。
「ぐあっ…」
「いやっ…!や、めて…」
「そんなにこのドールが大切か?お前もドールテイマーなら分かると思うけど…自分が作った、或いは契約してる相手が勝手に壊されたり、連れてかれると頭にくるんだよねー……」
ニヤリと笑ったロスはミシェルを見た。
ビクリとミシェルは肩を震わせる。
「俺、相当頭にきてるって分かった?だから、お前のお気に入りも……ぶっ壊してやるよ」
グッと手の平を男の方へ向けたロス。
それと同時に男は苦しそうな声をあげた。
「ぐぅっ……」
「ゼノ…!お、お願いします!やめてください…!私達が悪かったです…!ごめんなさい、許してください…!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!!」
「ミ…シェル…!お、れのことはいいから…早く逃げろ…」
絞り上げるような声でゼノはそれでも、主人であるミシェルの心配をする。
「や…やめてぇー!!!」
ミシェルが悲痛な声で叫んだ。
涙がボロボロと流れていく。
それでも、ロスはやめようとせず口角を上げながら笑った。
…おいおい、やり過ぎじゃねぇか?
流石のクロムも普段はしないようなロスの行動に疑問を抱く。
さっきの自分の所有物みたいな言い方には腹立つが…悪魔であるロスにはロスの考えがあるのは分かる。
でも、流石にガキ相手にやり過ぎだろ。
変なスイッチ入ってんじゃねぇか?
その間にも男の体は締め付けられている。
このままじゃぶっ壊れんのも時間の問題…か。
クロムは威圧感で体が痺れるような感覚を感じながら、頭の中でそう考えていた。
段々と変な方向に曲がっていく男の体。
更に泣き叫ぶミシェル、恐怖で動けないソルト。
2人は動けそうもなかった。
動けないのでは、ゼノはますます締め付けられてやがて絞られる雑巾のように圧迫されるだろう。
誰もがゼノの死を予想していた時だった。
ーーーガシッ
「!」
誰かがロスの腕を掴んだ。一体なんだと後ろを振り返る。
「……そのへんにしとけよ、ロス」
そこにいたのはクロムであった。

