ーー琉稀side
俺が殺してあげると言った瞬間、明らかにキルの気配が変わっていった。
「?」
なんだ…?
そう思うのと同時にキルの体に青黒い光が包み込んだ。
「!?」
周りに突風が吹いた。
その風に俺があげたあの帽子が吹き飛んだ。
その下にあった俺が嫌いなあの癖っ毛は…本格的に俺が嫌いな物に変化していた。
…そう。鬼の角に。
見る見るうちにキルは鬼の姿に変化していった。
「なっ…!?」
そして光が収まった頃には、キルは完全に鬼とかしていた。
ギロリと俺を睨むキル…いや、鬼の目は冷たい青色の目だった。
「…キル、お前…まさか…」
呼びかけたのと同時にキルの姿は消えていて、探そうとした瞬間、真横から殺気を感じた。
「ッ!?」
咄嗟に後ろに下がったが、左腕に鋭い痛みが走った。
充分に距離を取ってから痛む左手を見ると鋭利な物で引き裂かれた跡が残っていた。
「くっ…」
歯軋りをしながら、キルを見ると相変わらず氷のような目でこちらを睨んでいた。
「…悪鬼に取り憑かれるなど…一族の面汚しめ。貴様のような者が…主人に手を出すなど…愚の骨頂」
冷たく言い放つキルはキルではなかった。
姿、声こそ変わっていないが、明らかに違う人格の者であった。
「お前は……キルに宿る青鬼か…!」
「そうだ。自分の欲でずっとしきたりを守って来たこの者達の命を奪うだけではなく…主人にまで手をかけ、あろうことか主人の心まで壊そうとしたその罪…その命で払って貰うぞ」
「くっ…なんでだ…お前はなんで長男である俺に宿らなかった!?お前がそいつに宿らなければ…こんなことになってない!」
今までの怒りを青鬼にぶつける。
こいつさえいなかったらこんなことにならなかったのに…なんで俺が殺されなきゃならない!?
「…分からぬか?だから貴様には宿らなかったのだ。この方のためとぬかしておきながら、貴様の心の真にあったのはそれだった。貴様は時が経ち俺の力が弱まったことで生まれた…クズだ。この方は何もしておらぬぞ。それなのに、この方の優しさを分かろうともせず…それだけでは事足りずこのような無粋な真似をする者になど…誰が宿りたいと思うか。身の程をわきまえろ」
「この…!」
「まぁ、それでも貴様は俺が契約した一族の端くれ。悪鬼に取り憑かれたとはいえ、俺の契約者の血を引いている。拒絶したいところだが俺が貴様を地獄に送ってやろう。…地獄で悔いろ」
その言葉を合図に先程のような攻撃が続いた。
まだ扱いには慣れてないが俺は必死に薔薇を動かして交戦した。
しかし、やはり地獄の番人。
そんな素人の攻撃など全然意味がなかった。
「こんな西洋の植物になど…俺が劣ると思っているのか?お遊びはここまでだ。さっさと…貴様のような下衆は葬ってやろう」
周りにあった薔薇を全て引きちぎり俺の体に切り傷をつけていく。
キルの手は鋭い爪が生えていた。
手も足も出ないまま俺は腹を蹴られ壁に叩きつけられた。
「ぐっ…!」
腹を抑え咳き込んでいると奴が目の前にやってきた。
「さらばだ。二度とこのようなことをせぬよう…地獄で罰せられてくるのだな」
右手を振り上げトドメを刺すモーションに入った。
どうする…!?
このままでは殺される。
折角邪魔者を排除したというのに…こんなところで殺されてたまるか…!
なんで、俺が…欲しがってた青鬼に殺されなければいけないんだ…!
こうならないために…俺は今まで生きてきたというのに。
キルに負けないように…やってきたのに!
あんなヘラヘラした…自己犠牲な奴に…負けるなんて死んでも嫌だ。
それに、なんでこいつは青鬼なのに、こんなにもキルのことを大切にーーー
その時、頭の中にある考えが浮かんだのと同時にその右手が振り下ろされた。
その瞬間、俺は賭けではあったがある言葉を問いかける。
「いいのか…?俺を殺して。…キルが悲しむのに」
「!?」
青鬼の動きが止まった。
ーーー勝った。
俺はニヤリと笑った。
俺が殺してあげると言った瞬間、明らかにキルの気配が変わっていった。
「?」
なんだ…?
そう思うのと同時にキルの体に青黒い光が包み込んだ。
「!?」
周りに突風が吹いた。
その風に俺があげたあの帽子が吹き飛んだ。
その下にあった俺が嫌いなあの癖っ毛は…本格的に俺が嫌いな物に変化していた。
…そう。鬼の角に。
見る見るうちにキルは鬼の姿に変化していった。
「なっ…!?」
そして光が収まった頃には、キルは完全に鬼とかしていた。
ギロリと俺を睨むキル…いや、鬼の目は冷たい青色の目だった。
「…キル、お前…まさか…」
呼びかけたのと同時にキルの姿は消えていて、探そうとした瞬間、真横から殺気を感じた。
「ッ!?」
咄嗟に後ろに下がったが、左腕に鋭い痛みが走った。
充分に距離を取ってから痛む左手を見ると鋭利な物で引き裂かれた跡が残っていた。
「くっ…」
歯軋りをしながら、キルを見ると相変わらず氷のような目でこちらを睨んでいた。
「…悪鬼に取り憑かれるなど…一族の面汚しめ。貴様のような者が…主人に手を出すなど…愚の骨頂」
冷たく言い放つキルはキルではなかった。
姿、声こそ変わっていないが、明らかに違う人格の者であった。
「お前は……キルに宿る青鬼か…!」
「そうだ。自分の欲でずっとしきたりを守って来たこの者達の命を奪うだけではなく…主人にまで手をかけ、あろうことか主人の心まで壊そうとしたその罪…その命で払って貰うぞ」
「くっ…なんでだ…お前はなんで長男である俺に宿らなかった!?お前がそいつに宿らなければ…こんなことになってない!」
今までの怒りを青鬼にぶつける。
こいつさえいなかったらこんなことにならなかったのに…なんで俺が殺されなきゃならない!?
「…分からぬか?だから貴様には宿らなかったのだ。この方のためとぬかしておきながら、貴様の心の真にあったのはそれだった。貴様は時が経ち俺の力が弱まったことで生まれた…クズだ。この方は何もしておらぬぞ。それなのに、この方の優しさを分かろうともせず…それだけでは事足りずこのような無粋な真似をする者になど…誰が宿りたいと思うか。身の程をわきまえろ」
「この…!」
「まぁ、それでも貴様は俺が契約した一族の端くれ。悪鬼に取り憑かれたとはいえ、俺の契約者の血を引いている。拒絶したいところだが俺が貴様を地獄に送ってやろう。…地獄で悔いろ」
その言葉を合図に先程のような攻撃が続いた。
まだ扱いには慣れてないが俺は必死に薔薇を動かして交戦した。
しかし、やはり地獄の番人。
そんな素人の攻撃など全然意味がなかった。
「こんな西洋の植物になど…俺が劣ると思っているのか?お遊びはここまでだ。さっさと…貴様のような下衆は葬ってやろう」
周りにあった薔薇を全て引きちぎり俺の体に切り傷をつけていく。
キルの手は鋭い爪が生えていた。
手も足も出ないまま俺は腹を蹴られ壁に叩きつけられた。
「ぐっ…!」
腹を抑え咳き込んでいると奴が目の前にやってきた。
「さらばだ。二度とこのようなことをせぬよう…地獄で罰せられてくるのだな」
右手を振り上げトドメを刺すモーションに入った。
どうする…!?
このままでは殺される。
折角邪魔者を排除したというのに…こんなところで殺されてたまるか…!
なんで、俺が…欲しがってた青鬼に殺されなければいけないんだ…!
こうならないために…俺は今まで生きてきたというのに。
キルに負けないように…やってきたのに!
あんなヘラヘラした…自己犠牲な奴に…負けるなんて死んでも嫌だ。
それに、なんでこいつは青鬼なのに、こんなにもキルのことを大切にーーー
その時、頭の中にある考えが浮かんだのと同時にその右手が振り下ろされた。
その瞬間、俺は賭けではあったがある言葉を問いかける。
「いいのか…?俺を殺して。…キルが悲しむのに」
「!?」
青鬼の動きが止まった。
ーーー勝った。
俺はニヤリと笑った。

