Devil†Story

ーー騙サレルナ。思イ出セ。今マデ受ケテキタ扱イヲ。


脳内に響く低い声が琉稀を支配する。


そうだ。


俺だって…今までずっと我慢してきた。


なのにこいつは…まだあいつのことばかり気にかけるのか。


…許せない。


「……ダメだよ」


「琉稀…?」

「あいつも同じだ。あいつさえいなければ…こんなことにならなかった。あいつも…めちゃくちゃにしてやる」


「ダメだ!そんなことしたらーー」


「煩い!!!」


「グッ…!」


止めようと声を上げた新の体に薔薇の蔓を突き刺し怒鳴りつける。


「みんな殺してやる。俺が悪鬼に取り憑かれてたとしても…それもお前らのせいだ。みんな同じだ」


シュルリと体に蔓が絡まり、新の体は持ち上げられた。


「さよなら、父さん。…すぐにキルも送ってあげる」


「ッ…!」


体の痛みで最早意識は朦朧としてきた。


こんな時、人は走馬灯を見るというが…俺の頭には何も見えないな…。


琉稀…鬼琉…


すまない。


俺たちはダメな親だったな…。


守れなくて…本当にすまない。


そんな想いだけが頭の中にあった。


「すまない…琉稀」


そう新が呟いたのと同時に蔓がその体を貫いた。


深く深く突き刺さった蔓は新の命を簡単に奪い去った。


「……………」


そこに転がる2つの死体を目の前に琉稀は真顔で見つめる。


その内下を向いた琉稀の肩が僅かに震えだした。


一見泣いているように見える琉稀。

しかし…


「フフッ……ククク………」


その口から聞こえて来たのは嗚咽ではなく、


「あはははは!!」


笑い声だった。


「やった…ついにやってやった!ざまーみろ!!あはははは!」

まるで何処かの漫画や小説で出てくる悪役のように、両手を広げ、上を向きながら高笑いする。


だが、初めに感じた泣いているように見えたのは強ち嘘ではなかったようだ。


何故なら笑ってる琉稀の目からは涙が流れていたから。

両親を葬った喜びに笑う琉稀と、涙を流す琉稀。

どちらが彼の本心なのか。


それは本人である琉稀にすらわからないことであった。

それどころか涙を流している事すら気付いていない。


こうして、長年稀琉が命を奪ってしまったと思われていた両親は、兄である琉稀の手で行われた事がわかった。