ーロス Sideー
突き刺した腹から血飛沫があがる。
手を抜けば更に大量の血飛沫が飛び散り、その赤い部屋に深い赤みを作っていく。
その紅い紅い血が…その温かさが頬に触れる。
「ッ…!」
右手で腹を押さえつつ、左手で鞭を操るおねーさん。
その姿を見てまた俺は楽しくなる。
「何?抗ってくれんの…?どこまでも、俺を楽しませてくれるね」
口角が上がるのを止められない。
ランクにしたらドールで、殆ど感情もない…云わば格下。
数多の命を奪ってきた俺にとってなんの価値もないしょうもない命。
だが…久々にきちんと手をかけた相手。
麗弥の事件が始まってから…特に殺れなかった。
クロムが輝太の事件で補えなかった、血印を押さえるために俺は殆ど獲物にありつけなかった。
麗弥が自分の過去と向き合ったあの対戦でも手を出さなかった。
そして今回の稀琉の事件。
この期間も殆ど防御に徹してしまった。
そう考えれば考えるほど…この時間がいかに楽しいのかが分かる。
その前まではうまーくやってたんだけどなぁ…。
でも…
もう我慢の限界だ。
この欲求を押さえるのは。
しなる鞭を軽々と避けつつ、俺は前に進んでいく。
それに合わせて下がりながら鞭を操るエンヴィーだがその距離は確実に縮められてきた。
「なんで…!」
当たらなくて慌てるおねーさん。
その焦りを嘲笑うように俺は一気に前まで詰め寄る。
「あ…!」
その綺麗に化粧がされている顔が歪む。
そして普段は出さない尻尾を出して左肩から右腰…俺から見て右から斜め下に打ち付ける。
「ッ!」
今度は声にならない悲鳴をあげてドサリと地面に倒れる顔が痛みで歪んでいた。
悪魔の尾は鞭のように扱える。
また小型ナイフ並みの切れ味も兼ね備えていた。
その為、打ち付けたところは切り傷がつき、血が滲んでいた。
倒れる彼女の体の上に跨がる。
その歪んだ表情、新たに流された血液…それだけでも、俺の興奮は最高潮に達した。
「ごめんね?おねーさん。痛いよな…?でも大丈夫。…すぐに逝かせてあげるから」
スッと右手を振り上げた。
その掌には赤黒い塊が溜まっていく。
あぁ、久々だな…。
ニセモノの命…だが、こんなに胸が昂ったのは久々だ。
ペロリと唇を舐める。しっとりと濡れた唇に艶が出た。その唇でニヤリと笑い、恍惚とした表情で首を左手で押さえる。
「じゃあね。おねーさん」
そう言って右手を降り下ろした。そのモーションに入った瞬間…エンヴィーは死を覚悟した。
あぁ…アタシ死ぬのね…。
ごめんなさい琉稀様。
アタシ…貴方に何も返すことが出来なかった…。
そう思いながら、目をつむり来るであろう衝撃に構えていた時だった。左手の甲に微かに…しかし鋭い痛みがロスを襲った。
それはクロムが右手にナイフを突き刺した時と同時刻であった。
「…!!」
その痛みにハッと我に返ったロスは慌てて軌道を変えた。その右手が狙っていたのが頭部なのにすぐ気付いたからだ。右手はエンヴィーの左顔のすぐ横に当たった。
ドォン!という轟音にエンヴィーはおそるおそる目を開いた。
「えっ…?」
何が起こったのかと目を瞬かせる。
「ハッ…ハァッ…あー…やっちまった…」
ボソリと呟いたロスの表情は先程とは違ういつものロスの表情であった。
「あっぶねー……あのまま殺しちまうところだった…」
スッと立ち上がるロス。先程感じた痛みから頭が鮮明になった。手足を見ると鎖が切れている。
鎖自体はただの鎖であったが、その回りにロスが魔力で加工していた。一定の魔力が流されるとそれは切れて鎖が外れる。
外れた時点で気を付けようとしてやったものだったが、切れたことにすら気づいていなかった。
あー、やっちまった…
抑えてたんだけどなぁ…
鎖が切れているとこ見ると…クロムにも力が逆流しちまっただろうな…
今日だけで2回か…
「やべー…これは確実に…怒られるな……」
この痛みを嫌うクロムに…しかもいきなり力を逆流させてしまった。
うわぁ…ぜってー怒られる…。
「おねーさんも…もう立ち上がれないのに…ここまでやっちまうなんて……我慢しすぎたな…」
このままここにいては…またいつやらかすかわかんねぇな…。一旦落ち着こうと離れようとしたときであった。
「待って…」
「!」
不意に話し掛けられた。
突き刺した腹から血飛沫があがる。
手を抜けば更に大量の血飛沫が飛び散り、その赤い部屋に深い赤みを作っていく。
その紅い紅い血が…その温かさが頬に触れる。
「ッ…!」
右手で腹を押さえつつ、左手で鞭を操るおねーさん。
その姿を見てまた俺は楽しくなる。
「何?抗ってくれんの…?どこまでも、俺を楽しませてくれるね」
口角が上がるのを止められない。
ランクにしたらドールで、殆ど感情もない…云わば格下。
数多の命を奪ってきた俺にとってなんの価値もないしょうもない命。
だが…久々にきちんと手をかけた相手。
麗弥の事件が始まってから…特に殺れなかった。
クロムが輝太の事件で補えなかった、血印を押さえるために俺は殆ど獲物にありつけなかった。
麗弥が自分の過去と向き合ったあの対戦でも手を出さなかった。
そして今回の稀琉の事件。
この期間も殆ど防御に徹してしまった。
そう考えれば考えるほど…この時間がいかに楽しいのかが分かる。
その前まではうまーくやってたんだけどなぁ…。
でも…
もう我慢の限界だ。
この欲求を押さえるのは。
しなる鞭を軽々と避けつつ、俺は前に進んでいく。
それに合わせて下がりながら鞭を操るエンヴィーだがその距離は確実に縮められてきた。
「なんで…!」
当たらなくて慌てるおねーさん。
その焦りを嘲笑うように俺は一気に前まで詰め寄る。
「あ…!」
その綺麗に化粧がされている顔が歪む。
そして普段は出さない尻尾を出して左肩から右腰…俺から見て右から斜め下に打ち付ける。
「ッ!」
今度は声にならない悲鳴をあげてドサリと地面に倒れる顔が痛みで歪んでいた。
悪魔の尾は鞭のように扱える。
また小型ナイフ並みの切れ味も兼ね備えていた。
その為、打ち付けたところは切り傷がつき、血が滲んでいた。
倒れる彼女の体の上に跨がる。
その歪んだ表情、新たに流された血液…それだけでも、俺の興奮は最高潮に達した。
「ごめんね?おねーさん。痛いよな…?でも大丈夫。…すぐに逝かせてあげるから」
スッと右手を振り上げた。
その掌には赤黒い塊が溜まっていく。
あぁ、久々だな…。
ニセモノの命…だが、こんなに胸が昂ったのは久々だ。
ペロリと唇を舐める。しっとりと濡れた唇に艶が出た。その唇でニヤリと笑い、恍惚とした表情で首を左手で押さえる。
「じゃあね。おねーさん」
そう言って右手を降り下ろした。そのモーションに入った瞬間…エンヴィーは死を覚悟した。
あぁ…アタシ死ぬのね…。
ごめんなさい琉稀様。
アタシ…貴方に何も返すことが出来なかった…。
そう思いながら、目をつむり来るであろう衝撃に構えていた時だった。左手の甲に微かに…しかし鋭い痛みがロスを襲った。
それはクロムが右手にナイフを突き刺した時と同時刻であった。
「…!!」
その痛みにハッと我に返ったロスは慌てて軌道を変えた。その右手が狙っていたのが頭部なのにすぐ気付いたからだ。右手はエンヴィーの左顔のすぐ横に当たった。
ドォン!という轟音にエンヴィーはおそるおそる目を開いた。
「えっ…?」
何が起こったのかと目を瞬かせる。
「ハッ…ハァッ…あー…やっちまった…」
ボソリと呟いたロスの表情は先程とは違ういつものロスの表情であった。
「あっぶねー……あのまま殺しちまうところだった…」
スッと立ち上がるロス。先程感じた痛みから頭が鮮明になった。手足を見ると鎖が切れている。
鎖自体はただの鎖であったが、その回りにロスが魔力で加工していた。一定の魔力が流されるとそれは切れて鎖が外れる。
外れた時点で気を付けようとしてやったものだったが、切れたことにすら気づいていなかった。
あー、やっちまった…
抑えてたんだけどなぁ…
鎖が切れているとこ見ると…クロムにも力が逆流しちまっただろうな…
今日だけで2回か…
「やべー…これは確実に…怒られるな……」
この痛みを嫌うクロムに…しかもいきなり力を逆流させてしまった。
うわぁ…ぜってー怒られる…。
「おねーさんも…もう立ち上がれないのに…ここまでやっちまうなんて……我慢しすぎたな…」
このままここにいては…またいつやらかすかわかんねぇな…。一旦落ち着こうと離れようとしたときであった。
「待って…」
「!」
不意に話し掛けられた。

