Devil†Story

ーーロスがエンヴィーの腹を貫いていた頃…クロム side


「さて…そろそろ行くか」


腹を見てみるとシュルシュルと糸が伸びるように再生をし始めていた所だった。


これなら稀琉と合流する頃には半分なら塞がってるだろう。


そう思い立ち上がった時だった。


ーードクン


「っ!?」


本日2度目の胸に走る激痛に思わずよろけてしまいそのまま壁に体を打ちつけた。


「くっ…!」


ビキビキと血管が浮き出る気持ち悪い感覚が胸を中心に襲う。


胸というより血印がというのが正しい。


それはロスが多少なりにも本気になっているということだ。


いや…これは本気になっているいうよりも…本性を表してる感じか…?


どのみち…これじゃ動けねぇ…!


ビキビキ!


「ぐっ…!!」


先程よりも強い力の逆流。


首から頬の辺りまで血管が浮き出ていた。


しかし、そこよりも辛いのはあの時、血の契約を交わした右手に集中して魔力が逆流していくことだった。


今にも暴れだしそうな右手を左手で押さえつけるが、もちろん改善には繋がらない。

契約時と似たような痛みに嫌悪感を覚える。


くっそ…!


このままだと色々めんどくせぇな…!


押さえていた左手を離し、コートの内ポケットから小型ナイフを取り出す。


「クソが…!」


そして、思い切り右手の甲にナイフを突き刺した。


掌にまで貫通していたが、更に奥に深く刺した。


鋭い痛みに朦朧としかけていた意識が一気に現実に戻る。


その事に気付いたクロムは素早くナイフを抜くと、血印に刃を向けてナイフを振り上げる。


血印は左胸にある。


もし突き刺せば心臓にダメージがいく。


流石に心臓にダメージがいけば、いくら契約者といえども無事ではすまない。


また特別な臓器である心臓は元のように回復する見込みはかなり低い。


それはクロムの寿命を縮める行為であった。


それでも、迷いなくクロムはナイフを振り上げ……降り下ろそうとしたーーーー