「貴様、さっきから喧嘩売ってるのか」

「口も悪いときたもんだ。コレじゃあ、ぶっちゃけ殆どその才能が潰れてるよーなもんだろ?」

「あっ、確かに」

笑いながら言うロスに麗弥も笑い、納得した。

「確かにじゃねぇし、笑ってんじゃねぇよ、眼帯野郎。殺すぞ」

そう言ったクロムの眼力の恐ろしいこと、恐ろしいこと。

麗弥は笑うのをやめ「スミマセン…」と謝った。

「つーか、テメェが余計なことを言わなければ良いんだ、ロス。殺す。絶対に殺す。つーか、テメェだって性悪だし変態だろーが!」

「あぁー!失礼なことを。俺は性悪じゃないし、変態じゃありませんー」

「オマケに猫好きとか、キモイんだけど」

「ニャンコを好きになって何が悪い!カワイイだろーが!」

「ニャ…ニャンコって」

普段のロスでは、想像できないような言葉が出て稀琉と麗弥は驚いた。

「ニャンコとかきしょっ。つーかだから、クローに嫌われるんだろ、猫ボケ野郎」

「なんだと、この野郎!アイツは元々、俺が嫌いだろ!ネクラ野郎が」

「あぁ!?テメェ、今なんつった!?」

またいつもの様に2人の口喧嘩が始まってしまった。
四六時中居るからかは、分からないが本当に口喧嘩が多い。仲良くすれば良いのに…と、稀琉は思いながら慌てて睨み合う2人の間に入った。

「ま、まぁ、良いじゃない、猫好きでも、カラス好きでも。そ、それより、クロムは他に何かできることあるの?」

稀琉が間に入って、話の流れを反らしたので口喧嘩はそこで終わった。

「あと?んー…」

「お前、ピアノ弾けんじゃん」

「!」

ロスの言葉にクロムはロスを見た。

「マジで!?スゲーやん!」

「なんでも弾けるの?」


稀琉の言葉にクロムは「…まぁ、一度聞けばなんとなくは…」と、何故か歯切れの悪い返答をした。