「ところで、刹那。明日も任務は入ってないんだよな?」

「うん。入ってないよー」

「そうか」


クロムはそこで言葉を止めた。いつもなら「ったく、明日も何もねぇのかよ」と、うんざりしたように言うのだが、何故か今日は何も言わなかった。

「アレ、珍しいね。君が任務がない日続いて文句言わないの」

刹那は珍しそうにクロムに聞いた。

「いや…だったら、今日も本でも読もうかと思っただけだ」

「クロムって、本好きだよねー」

「そーいや、そうやな。ってことは…クロムって…頭良いん?てゆーか、勉強出来るん?」

麗弥は椅子に座りながら、クロムに問いかけた。

「少なくとも、貴様よりは良い自信がある」

「なんやねん、それ!失礼な奴やな――「あー、クロムは勉強出来るよ〜」

麗弥の言葉にかぶせる様にロスは呟いた。

「確かに、秀才って感じだよねー」

「こいつ、物分かり良いから…大体1度聞けば全部覚えられるよ」

「マジ!?」

麗弥が、目を大きくして聞き返す。

「確かに、そうだね。クロムに任務の資料渡したことあんまりないな」

刹那が納得したように、呟いた。

「そうなんだ。凄いなー」

「別に。どっかの眼帯じゃないんだ。これくらいどうってことない」

涼しげな表情で言うクロムに「それ、完全に俺やん!」と麗弥が言い返した。

「もー、なんなんー。神様って不公平やわー。容姿も良くって、頭良いとか…羨まし過ぎ」

「馬鹿だなー、麗弥。完璧な人間なんて居ないんだぜ?確かに、こいつ色々出来るけど…力ないじゃん?」

「アハハ」と、笑うロスに今度はクロムが言い返した。

「喧しい。力がないからなんだ。人を殺すのに、力なんて――「オマケに性格最悪だし?」

そう言って笑うロスに、更にクロムは言い返した。