次の日。
朝になり、部屋から出てきた稀流が廊下でクロムとロスを見付けた。
「あっ、おはよー、ロス、クロム…って、どうしたのその顔?」
「おはよー」と爽やかに挨拶するロスに対し、クロムの目の下には珍しく隈ができていた。おまけに目がとろんとしていて、いつもの様な目力がない。
「別に…。なんでもない…」
そうは言うものの明らかに眠そうだ。
「さーてね。また徹夜で本でも読んでたんじゃねーの?」
なんだか、ニヤニヤしているロスがそう言った。
「だったら…悪いのかよ」
凄むクロムだが、やはり眠いのか全く眼力がない。
その為、女らしさには磨きがかかってしまっている。
足も少しふらふらしているので、貧血気味の女性にしか見えない。
改めてだけど本当に…綺麗な顔だなー…クロム。
白く澄んだ綺麗な肌に高めの鼻、つやつやの唇。
今は弱々しいが、普段表情の凛々しさが美しさを際出させている。本当に一見は女性の様な美しい顔立ちだ。
何より…綺麗だと感じるのは目だ。
紅く、何もかもを見透かす様な瞳。
これで、紅黒い闇が目を覆っていなければ…もっと綺麗な目だったんだろうなと思う。
それでも、美しいと感じるのだから。
「…稀流?」
「!」
ロスに目の前で手を振られてハッとする。
「あっ…ゴメン。クロムさ、少し横になった方がいいよ?」
「いや……。今日までに…報告書を全部終わらせたいんだ…」
いつもの威厳は何処へやら、弱々しく呟いた。
「えっ?任務…確か昨日じゃなかったっけ?」
報告書は大体、1週間以内に出せば良い。
クロムは昨日任務に行ったので、別に今日出さなくとも良いのだ。
「いや……後でやる方が…面倒だし……今日は任務ないから…早めにやっておきたい…」
本当に眠そうにクロムはそう言った。
「そ…そう。なんだかんだ言って…クロムって真面目だよね」
「そーなんだよ。変に生真面目なんだよ」
ロスが茶化す様に言うと「当たり前の事を…してるだけだ」と、相変わらず弱々しく呟いた。
本当にクロムは睡眠取らないと…駄目なんだなぁ…。
何かと言えば寝てるって思ったけど…そういう体質なんだろうな。
「そ、そっか。じゃあ早めに終わらせて休みなよ」
「あぁ……」
ふぁ、と欠伸をし、覚束ない足取りで刹那の部屋に向かうクロムに、アレで字は書けるんだろうかと思いつつ稀流はまた歩き出した。
朝になり、部屋から出てきた稀流が廊下でクロムとロスを見付けた。
「あっ、おはよー、ロス、クロム…って、どうしたのその顔?」
「おはよー」と爽やかに挨拶するロスに対し、クロムの目の下には珍しく隈ができていた。おまけに目がとろんとしていて、いつもの様な目力がない。
「別に…。なんでもない…」
そうは言うものの明らかに眠そうだ。
「さーてね。また徹夜で本でも読んでたんじゃねーの?」
なんだか、ニヤニヤしているロスがそう言った。
「だったら…悪いのかよ」
凄むクロムだが、やはり眠いのか全く眼力がない。
その為、女らしさには磨きがかかってしまっている。
足も少しふらふらしているので、貧血気味の女性にしか見えない。
改めてだけど本当に…綺麗な顔だなー…クロム。
白く澄んだ綺麗な肌に高めの鼻、つやつやの唇。
今は弱々しいが、普段表情の凛々しさが美しさを際出させている。本当に一見は女性の様な美しい顔立ちだ。
何より…綺麗だと感じるのは目だ。
紅く、何もかもを見透かす様な瞳。
これで、紅黒い闇が目を覆っていなければ…もっと綺麗な目だったんだろうなと思う。
それでも、美しいと感じるのだから。
「…稀流?」
「!」
ロスに目の前で手を振られてハッとする。
「あっ…ゴメン。クロムさ、少し横になった方がいいよ?」
「いや……。今日までに…報告書を全部終わらせたいんだ…」
いつもの威厳は何処へやら、弱々しく呟いた。
「えっ?任務…確か昨日じゃなかったっけ?」
報告書は大体、1週間以内に出せば良い。
クロムは昨日任務に行ったので、別に今日出さなくとも良いのだ。
「いや……後でやる方が…面倒だし……今日は任務ないから…早めにやっておきたい…」
本当に眠そうにクロムはそう言った。
「そ…そう。なんだかんだ言って…クロムって真面目だよね」
「そーなんだよ。変に生真面目なんだよ」
ロスが茶化す様に言うと「当たり前の事を…してるだけだ」と、相変わらず弱々しく呟いた。
本当にクロムは睡眠取らないと…駄目なんだなぁ…。
何かと言えば寝てるって思ったけど…そういう体質なんだろうな。
「そ、そっか。じゃあ早めに終わらせて休みなよ」
「あぁ……」
ふぁ、と欠伸をし、覚束ない足取りで刹那の部屋に向かうクロムに、アレで字は書けるんだろうかと思いつつ稀流はまた歩き出した。