「めんどくせぇ…。だが分かった。行ってきてやるよ」


「良かった♪頼んだよ☆」


「俺に頼むってことは殺していいんだよな?そいつらのアジトは?」


「殺しちゃってOK!場所はー…とりあえずその団体が建てた教会があるからそこに行ってみて」


手書きのメモを置きながら角砂糖を紅茶に入れながら刹那がなんとも曖昧な返答をした。


「…とりあえず?」


メモに目を通すと「ここ☆」となんともふざけた地図が描かれていた。……一応分かるがもう少しマシな描き方は出来なかったのかと呆れてしまう。


「とりあえずその教会に行ってみて。それでスパイを装ってよ。そしたら目をつけられるだろうし。装備は従業員と同じスタンガンとナイフ持っていってよ。あー…それとその期間は別のとこに帰ってね。そいつらにここ(カフェ)について来られたらたまったもんじゃないから別に部屋を用意したから」


「ついて来られるだぁ?俺がそんなヘマするとでも思ってんのか」


「いや〜それは思ってないけど遅かれ早かれ君が襲われるのは確実だから部屋は別にしないと〜。あっ!奴らが君を襲うまで時間かかるかもしれないからさ?昼間に何もしてないと変だしここにバイトしてるふりしてね!ついでに俺にその日の事を報告よろしく〜!ここにきて欲しくないから表の仕事をここにして、夜は情報屋と取引してるふりしてくれる?手配したマンションの一角も押さえてるからいかにも的な感じで」


さらっととんでもないことを言い放った刹那にクロムの表情が険しくなる。


「………おい」


「部屋はいい所にしたから♪ほらここ!でこっちが情報屋との取引偽造部屋!いかにもって感じでしょ〜?んじゃっ!よろしく」


部屋の見取り図とマンションのパンフレットを指差した後、クロムの言葉は聞かずに手をヒラヒラさせてから紅茶を飲もうとする刹那からティーカップを取った。


「ちょっと〜。人が飲もうとしてる時に…。あっ、もしかしてクロムも飲みたかった?だったら早く言ってくんないと!ミルクいる?砂糖はどんくらい…」


「…そうじゃねぇ。てめぇこの俺を囮にする気か」


「うん!クロム強いし!」



悪びれる様子もなく平然と答える刹那に呆れるクロムはイライラしながら言い返した。



「そんな面倒なことしなくとも、その組織のアジトに行って潰せばいーじゃねぇかよ!いくら薬漬けにされてるとはいえGPS持たせてただろ!?」


「GPSの最後の信号がその教会ってことしか分からないからアジトまでは掴めてないんだよ〜だからもう拉致られるとかしか方法ないから仕方ないじゃない」


「そもそも君なら拉致られたりしないでしょ〜?」と他人事のように刹那に更に苛立ちを覚えた。