ロ「はっ?」



ク「…なに?」



驚いてる2人を尻目に私は



ア「私を殺せばいい」




と繰り返した。




ロ「だから、さっきも言ったように人間は寿命が短いんだから大切に…」





ア「いいの。ヒカルは…ヒカルは私をかばったから貴方達に…いえ。貴方に殺されたんだから」




そう私はロスの言葉を遮ってクロムの目を真っ直ぐ見た。すると、クロムは目を瞑り少しして



ク「…そうか。」





と一言言って目を開け剣を振り上げた。





ア「でもね。最期に貴方に言っときたい事があるわ。」




私がそう言うとクロムはピタッと動きを止めた。




ク「…なんだ?」



ア「たしかに…ヒカルが貴方達に頼んだ事は良い事ではないわ。でも、だからと言って…心変わりしたヒカルを『くだらねぇ。』と言って殺した貴方を…私は絶対に許さない!」




私は我慢しきれずにまた涙を流したがそれでも睨み付けた。




ク「……はっ。勝手にしろ」




ドスッ!




ア「あっ…」




最後にそう言ったのと同時に私に剣を突き刺した。




ドサッと私は崩れ落ちた。



…痛い。



悲しい…。




そっか…




ヒカルもこんな想いで…




私は最期の力を振り絞ってそこに立っている人を見た。




その人は冷たく紅い瞳で私を見下ろしていた。




ア「絶対…に…ゆるさな……い…」




そう言ってからすぐ近くにあるヒカルの所に行った。



ズルッ…ズルッ…






ガクッ




ヒカルの遺体がある所まで来て力が抜けた。




凄く眠い…




ア「っ…はぁ…ヒ…カル…」




もう呼び掛けても開くことのない瞼




笑いかけてくれない顔に私は触れた。




…待ってて…




私、すぐ行くから…




私は僅かに微笑むと目を閉じ意識を手放した。