Devil†Story

澪「あっ、もしかして…貴方がクロムくん?」


ク「…あっ?なんで俺の名前知ってるんだ。この女」


稀「ふふっ。実はね〜クロム。この人は麗弥のお姉さんなんだよ♪」


事情が分からないクロムに稀琉は笑顔でそう説明した。…あんなおっかない顔してるクロムに平気で話し掛けるところは流石稀琉といった感じだ。


ク「…姉さん?」


相変わらず不機嫌度マックスで聞き返した時、ロスが中に入って来た。


ロ「おーいクロム。クローが何か言ってるんだけど、俺には分からんから早く来てくんねー?それにあいつ俺のこと嫌いみたいだから――ってお客さん?」


ロスはきょとんとしつつ「失礼しました〜♪」と軽い感じで答えた。


稀「ロスも来たんだね。実はこの人は麗弥のお姉さん」


稀琉はさっきと同じ様に答えた。


澪「はじめまして。私はレイちゃん…麗弥の姉の澪奈と言います。いつも弟がお世話になってます」


ペコッと頭を下げる姉さん。


ロ「それはどうもご丁寧に。俺は――」


澪「ロスくん…ですよね?」


ロ「へっ?何で知ってるの?」


ロスはまたきょとんとしながら聞き返した。


澪「いつもレイちゃんが話してくれるのでもしかしたらと思いまして。『髪の長い顔が綺麗な方』がクロムくん。『キリッとしてて顔付きが格好良い背の大きい方』がロスくんと」


姉さんはニコッと笑ったが俺はそれを聞いて冷や汗が流れた。


麗「ねっ、姉さん!あかんよ!俺がそんなクロムの紹介してる言うたら!」


しかし時すでに遅し。クロムの方から冷たい空気を感じだからだ。


ク「…ほぅ?テメェは俺の話をペラペラしてたってわけか?しかも外で?」


効果音が具現化されてれば"ゴゴゴゴゴ"となっていそうな殺気がひしひしと伝わってきて更に冷や汗が背中を伝った。


麗「いっ、いやそのー…」


ク「少し“躾”をしてやらねぇといけねぇな?守秘義務を守らなかったからな?」


ガシッと肩を掴まれ恐る恐る振り返ると肩越しにニタリと笑うクロムが居た。流石に姉さんの前だからか手に剣は握られてこそいないが掴んでる肩に徐々に力が込められている。


ぎゃー!これ後で殺される奴やーん!!


…ってアレ?


これ前にも起きたで?


何、デジャブ?


…って考えてる場合ちゃうかった!


麗「ごっ、ゴメンなさーい!!」


俺はこの間のデジャブに従って、謝り続けたのであった。