「……まぁなんだか分からないけど…増やして欲しいって言われたんだよ。元々殺人衝動が強いところもあるしさ」
あんな事を言うわけにはいかないのでそう適当に誤魔化す。
「でも刹那はオーナーなんだからなんとでも言えたんじゃない?」
「それはそうだけどね。だけどクロムなら…俺を殺すのもやりかねないしね。まぁ、少しの間だけって言われたからさ」
俺は冗談まじりそう言った。…半分は本当の事だし。
「…いくらクロムでも殺したりはせーへんのちゃう?」
「いや〜分からないよ。なんせ全然仕事してなかったからね。たまってただろうし」
「うーん……」
2人は納得しきれてない顔をしている。それはそうか…。あぁ彼等の事情を言えたらどんなに楽か…。
「とにかく様子を見てて欲しいんだよね〜。同じ任務になることはあんまないと思うけど」
「んー…別に構わへんのやけどそれやったらロスに聞いた方がえーんとらちゃう?1番クロムの側におるのはロスなんやし」
うっ…痛いところをついてくるな…。麗弥は意外に頭がきれるからなぁ…。でもロスは悪魔だから寧ろあの子にそれをさせている側だろう。それなのに彼等の邪魔になるようなことを言えば…ロスに殺されるのは目に見えている。
何故そう確信に近いことを思うのか。それは彼等と初めて会ったときにロス自身の口から言われたからだ。
"邪魔をするなら殺すよ?"
まだ幼かったクロムを連れて言ってきたのは紛れもなくロスであったからだ。別に俺は彼等の行為自体を邪魔したい訳ではない。ただ…この間のような契約違反を繰り返されるとここの存続に関わってくるからだ。俺はここを守らなければいけない立場に居るのだから。だからこそ…この2人にも見ていて貰いたいと思ったのだ。俺は間を置いてから話を続けた。
「ロスだと近くに居すぎて気にしない部分も出てくるでしょ?だから頼むよ。それにロスはクロムに甘いからさ」
これも本当の事だ。ロスはなんだかんだ言ってクロムに甘い。…まぁ、甘くなったかな?と感じ始めたのは最近になってからだけど。
「そっか。確かにロスは結構見守るタイプだもんね」
「確かに…。ロスやったら何も言わんで見てる事あるだろうなぁ…」
「でしょ?だから2人に頼むんだ。クロムの事を頼むよ」
スッ…
2人にお菓子を渡す。俺は大体いつも、任務前にお菓子をあげていた。少し前まで幼さが残る子どもだった彼等に少しでも安心させたかったから。今は必要のない年齢になっているとはいえその癖が抜けないってのもある。
「分かった。もしクロムがおかしくなってるんなら…友達のオレ達が止めるのは当たり前だもんね」
稀琉はいつもの様にポケットにお菓子を入れながら笑顔でそう言った。
麗「せやな。全くしゃーない奴やなぁクロムは。まぁ任せとき」
麗弥もピースをしながらそう言った。
「助かるよ。じゃあ頼んだよ」
「OK」
「了解っ!」
そして、2人は部屋を出ていった。
刹「…ふぅ」
俺は椅子に寄りかかりながら息を吐いた。
「…何もなければ良いんだけどね」
そうボソッと呟いた。
※この章から稀琉の一人称を「俺」から「オレ」にしましたので、よろしくお願いします。
あんな事を言うわけにはいかないのでそう適当に誤魔化す。
「でも刹那はオーナーなんだからなんとでも言えたんじゃない?」
「それはそうだけどね。だけどクロムなら…俺を殺すのもやりかねないしね。まぁ、少しの間だけって言われたからさ」
俺は冗談まじりそう言った。…半分は本当の事だし。
「…いくらクロムでも殺したりはせーへんのちゃう?」
「いや〜分からないよ。なんせ全然仕事してなかったからね。たまってただろうし」
「うーん……」
2人は納得しきれてない顔をしている。それはそうか…。あぁ彼等の事情を言えたらどんなに楽か…。
「とにかく様子を見てて欲しいんだよね〜。同じ任務になることはあんまないと思うけど」
「んー…別に構わへんのやけどそれやったらロスに聞いた方がえーんとらちゃう?1番クロムの側におるのはロスなんやし」
うっ…痛いところをついてくるな…。麗弥は意外に頭がきれるからなぁ…。でもロスは悪魔だから寧ろあの子にそれをさせている側だろう。それなのに彼等の邪魔になるようなことを言えば…ロスに殺されるのは目に見えている。
何故そう確信に近いことを思うのか。それは彼等と初めて会ったときにロス自身の口から言われたからだ。
"邪魔をするなら殺すよ?"
まだ幼かったクロムを連れて言ってきたのは紛れもなくロスであったからだ。別に俺は彼等の行為自体を邪魔したい訳ではない。ただ…この間のような契約違反を繰り返されるとここの存続に関わってくるからだ。俺はここを守らなければいけない立場に居るのだから。だからこそ…この2人にも見ていて貰いたいと思ったのだ。俺は間を置いてから話を続けた。
「ロスだと近くに居すぎて気にしない部分も出てくるでしょ?だから頼むよ。それにロスはクロムに甘いからさ」
これも本当の事だ。ロスはなんだかんだ言ってクロムに甘い。…まぁ、甘くなったかな?と感じ始めたのは最近になってからだけど。
「そっか。確かにロスは結構見守るタイプだもんね」
「確かに…。ロスやったら何も言わんで見てる事あるだろうなぁ…」
「でしょ?だから2人に頼むんだ。クロムの事を頼むよ」
スッ…
2人にお菓子を渡す。俺は大体いつも、任務前にお菓子をあげていた。少し前まで幼さが残る子どもだった彼等に少しでも安心させたかったから。今は必要のない年齢になっているとはいえその癖が抜けないってのもある。
「分かった。もしクロムがおかしくなってるんなら…友達のオレ達が止めるのは当たり前だもんね」
稀琉はいつもの様にポケットにお菓子を入れながら笑顔でそう言った。
麗「せやな。全くしゃーない奴やなぁクロムは。まぁ任せとき」
麗弥もピースをしながらそう言った。
「助かるよ。じゃあ頼んだよ」
「OK」
「了解っ!」
そして、2人は部屋を出ていった。
刹「…ふぅ」
俺は椅子に寄りかかりながら息を吐いた。
「…何もなければ良いんだけどね」
そうボソッと呟いた。
※この章から稀琉の一人称を「俺」から「オレ」にしましたので、よろしくお願いします。

